大前研一「ニュースの視点」Blog

KON1003「ユニ・チャーム/ ヤマト運輸/ いすゞ自動車/ 国内半導体産業」

2023年10月6日 いすゞ自動車 ヤマト運輸 ユニ・チャーム 国内半導体産業

本文の内容
  • ユニ・チャーム 時価総額が「花王超え」の納得理由
  • ヤマト運輸 個人事業主約3万人との契約終了へ
  • いすゞ自動車 普通免許で運転できる小型ディーゼルトラック販売
  • 国内半導体産業 北海道に技術支援拠点新設へ

▼ユニ・チャーム 時価総額が「花王超え」の納得理由
 花王超えの実現は世界に目を向けた結果である

ユニ・チャーム、時価総額が「花王超え」の納得理由と題する記事をご紹介します。これは日本を代表する日用品メーカー2社について、ユニ・チャームの時価総額は3兆円を上回る一方、花王は3兆円を割り込み、下降局面に入っていると紹介しています。ユニ・チャームは2001年から海外展開に力を入れ、東南アジアや中東、北米、南米など滞りなく進出し、現地の事情に合わせたものづくりでシェアを拡大していることなどが好調の要因です。

つまり、コンシューマーパッケージグッズの日本チャンピオン、花王が、ユニ・チャームに時価総額を抜かれる事態となったのです。ユニ・チャームと花王の業績グラフによると、青い線の花王の売り上げは大きいものの、営業利益は赤のユニ・チャームとクロスしています。純利益については、まだユニ・チャームよりも花王が少し上回っていますが、ユニ・チャームが安定しているのに対して花王の業績は急激に下がっており、花王自身もブランドの整理を検討しているようです。また花王とユニ・チャームの株価についても、同程度となっています。

花王のセグメント別業績では、主にハイジーン&リビングケア、ヘルス&ビューティケア(スキン・オーラルケア等)が大きく業績を落としています。ケミカル事業は前年度と変わらず、そして化粧品は業績を上げています。対してユニ・チャームのセグメント別業績は、パーソナルケア、ペットケア共に順調です。ネコ用製品は特に評判がいいようです。ユニ・チャームにとっての直接の脅威は花王ではなく、世界的企業のプロクター・アンド・ギャンブルやユニリーバを競争相手と考えており、結果的に時価総額で花王を抜いてしまったのです。


▼ヤマト運輸 個人事業主約3万人との契約終了へ
創業者の熱情を切り捨てたヤマトは新しい方向へとかじを切った

ヤマト運輸がダイレクトメールなどの配達を委託している個人事業主、およそ3万人との契約を2024年度末までに終了する見通しが明らかになりました。ダイレクトメールなど小型荷物の配達を、今後は6月に提携を発表した日本郵便に委託する方針で、ヤマトは個人事業主に謝礼金を支払う他、新たな仕事探しの支援もするということです。

もともとは創業者である小倉氏が、日本郵便に対抗してヤマトの事業を始めました。小倉氏は日本郵便を目の敵にしていました。

今では宅急便事業は順調であるものの、パンフレットやポスト投函などのクロネコDM便は業績を下げ続け、事業そのものを日本郵便に委託する方針としましたが、今は亡き小倉氏にとっては大変悔しいことだと思います。恐らくは過去をよく知らない人による方針転換だと思いますが、儲からない事業は続けられませんので仕方のないことではあります。


▼いすゞ自動車 普通免許で運転できる小型ディーゼルトラック販売
 普通免許で運転できる車両総重量は?

いすゞ自動車は、普通免許で運転できる小型ディーゼルトラックを2024年夏までに発売すると発表しました。ドライバーの労働時間規制が強化される2024年問題が迫る中、普通免許しか持たない人でもトラックを運転できるようにして、業界の人材確保を後押しする考えだということです。

私は今、スノーモービルを運ぶために普通免許で日野の4トントラックを運転しています。以前はいすゞの3.5トントラックにも乗っていましたが坂道に弱く、日野のトラックに乗り替えました。今回いすゞは3.5トン未満のトラックで2024年問題に対応するようですが、私はディーラーから問題ないと言われて普通免許で4トン車を運転していますが、違法なのでは?と非常に気になっています。私にとっては大変重要なことで、しっかりと調べなければと思っています。


▼国内半導体産業 北海道に技術支援拠点新設へ
 ASMLの北海道拠点新設の本当の狙い

半導体製造装置大手のオランダのASMLが、北海道千歳市に技術支援拠点を新設する見通しが明らかになりました。ラピダスが建設する半導体の試作ラインにEUV(極端紫外線)露光装置を設置するなど、工場の立ち上げや保守点検に協力するということです。

ASMLが北海道に拠点新設というニュースに私は驚いたのですが、かなりの補助金が出るからなのか、それとも九州に加えて北海道もと両方を手に入れようとしたのか、私にも理由は分かりません。今の日本は頼み込んでASMLを誘致していますが、わざわざ北海道への拠点新設というのは、かなり意外なことに思えました。

今、HUAWEIが7ナノ半導体の実用化に成功したとされ、アメリカの圧力があっても日本はそれを無視している場合ではありませんが、日本ではIBMも東京エレクトロンも稼働しているために、今回のようなASMLの動きとなったのではと思います。


---この記事は2023年10月1日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています

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