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コンビニ大手買収
ローソン
エーエム・ピーエム買収
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●コンビニ業界は2大勢力へ
先月25日、コンビニエンスストア2位のローソンは
同7位のエーエム・ピーエム・ジャパン(am/pm)を
買収すると正式発表しました。
ローソンはam/pm親会社のレックス・ホールディングスから
全株式を買い取り、2010年春を目処にam/pmを合併する
見通し。
2001年のサークルKサンクス統合以来のコンビニ大型再編と
なります。
ローソンは比較的調子が良いですし、コンビニシフトが
起こっている状況から見ても、今回のam/pmの買収は
それほど負担にはならないだろうと私は見ています。
そして、今後のコンビニ業界の勢力図は、大きな2つのグループ
ぐらいに収斂していくのではないかと思います。
現在のコンビニ各社の提携関係を見てみます。
業界トップのセブンイレブンジャパンはセブン&アイHDによる
100%出資。そして、ローソンとam/pmの背後にいるのは
三菱商事です。ローソンに約32%、am/pmに約10%の出資を
しています。
※「コンビニ各社の提携関係」チャートを見る
今回の合併でセブンイレブンに追いつけ追い越せという
ローソンの勢いは強くなっていると思いますが、
今後さらにそれが助長される可能性もあると私は見ています。
その立役者はイオンです。
現在イオンはミニストップのメイン株主ですが、三菱商事へ
近づく動きを見せています。イオンはディベロッパー関連事業で
苦しい局面に立たされているので、ここで三菱商事を抱き込もう
と考えているのだと思います。
かつてダイエーグループは、ローソンをセブンイレブンに
対抗させるまでに成長させましたが、イオンはミニストップを
浮上させることができませんでした。
このままだと将来的にはミニストップもローソンに引き受けて
もらいたい、というシナリオが出てくるのではないかと思います。
コンビニ業界は、セブンイレブンとローソン(ミニストップ・am/pm)
という2大勢力を中心にしつつ、
ファミリーマート(伊藤忠商事)、サークルKサンクス(ユニー)
が続いていくという形になるでしょう。
ファミリーマートやサークルKサンクスは苦しい立場に立たされる
ことになります。
伊藤忠商事やユニーがどのような策を講じてくるのか
注目したいところですが、
最終的にはセブンイレブンとローソンという2大勢力に
飲み込まれる形に落ち着くのではないかと私は見ています。
今回の買収に関して、そもそもローソンがam/pmを手に入れる
メリットについて疑問の声もあるようですが、
ローソンとam/pmを合わせると首都圏の店舗数では
セブンイレブンを上回りシェア第1位となる、
というのは大きなメリットだと思います。
am/pmの店舗は各フランチャイジーの意思で、
am/pmの名前を残してもいいし、ローソンへ名称変更しても
いいということですが、ほとんどの店舗はローソンに名称を変更
するでしょう。
am/pmの本部が変わってしまうのですから、店舗だけ名前を
残していても、魂がないままに運営することになってしまいます。
また各フランチャイジーにとっての収益性の面から見ても、
ナチュラルローソンやローソンストア100など様々な展開を
見せているローソンの中から選んだ方が得策だと
考えると思います。
実際、am/pmは牛角や成城石井を手がける
レインズインターナショナルが、
「成城石井のコンビニ版」という様なコンセプトで運営し、
必ずしも成功したとは言えない結果となりました。
ローソン傘下として運営する方が、
コンビニの経営としては上手くいく可能性は高いでしょう。
各店舗をローソンへ名称変更するといっても、
近隣にすでにローソンの店舗がある場合にはどちらかの店舗が
閉鎖に追い込まれることになるので、
単純に「1+1」=「2」という店舗数にはならないでしょう。
実際の店舗数としては「1+1」=「1.8」くらいの規模で
落ち着き、その時の出店コストを計算すると「1+1」=「1.6」
くらいで抑えられる、というのが今回のam/pm買収の成果になる
と私は見ています。