NEC 縮小均衡の連鎖にはまったNEC
鴻海精密工業 シャープ出資見直し 結論は9月以降に
ルネサスエレクトロニクスに約1000億円出資提案
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▼ NECとは何か?経営の軸がぶれているNEC
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8月25日付けの産経ニュースは、
『縮小均衡の"連鎖"にはまったNEC 成長戦略いまだ見えず』という
記事を掲載しました。
経営不振にあえぐシャープよりも、NECの方が「もっと厳しい」とする
大手行幹部の発言を紹介。
半導体、パソコンなど次々と主力事業を切り離し、身軽になったものの、
成長戦略は見えないまま先行き不透明感が高まっていると指摘しています。
かつては通信技術では世界的にも活躍したNECですが、旧電電ファミリー
としての威光も通じない時代になってきて、日本一だったパソコンの分野でも
今では他社に製造してもらった製品を売る立場になっています。
一方で、半導体事業では富士通・NTTドコモと新会社を設立するなど、
結局、「NECは何の会社なのか?」という部分が見えにくくなってきている
と感じます。
わずか6~7年前には4兆5000億円あった売上高も3兆円まで落ち込み、
リーマン・ショック以降、株価も低迷し100円を割り込むことさえあります。
確かにこのような状況を見ていると、まだシャープの方がましだと
言われても仕方ないかも知れません。
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▼ 3月から話を進展させていないシャープの怠慢
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そのシャープにしても、依然として厳しい状況が続いています。
経営再建中のシャープと資本・業務提携している鴻海精密工業の
郭台銘会長は28日、東京都内で毎日新聞などの取材に応じ、
「我々はベストを尽くし、シャープと十分にやっていく。
我々の目指すものに変わりはない」
と述べ、シャープを支える考えを表明しました。
しかし堺工場で予定していた記者会見を急遽中止し、またシャープの
奥田社長は鴻海にシャープ株の取得価格を引き下げる交渉を
していることを明らかにしました。
鴻海のシャープへの出資というニュースで一時的に回復した株価も、
再び低い水準に戻ってしまいました。
シャープの株価が約550円だった3月に合意した内容は、
鴻海が約660億円を出資し、9.9%の持ち株比率になるというものでした。
今でもシャープ側は9.9%の持ち株比率を希望していると言われています。
現在の株価から計算すると、出資額は約200億円まで下がる見込みです。
1兆円を超える借金を抱え、早急に2000億円規模の資金調達が
必要だと言われているシャープは、銀行からのさらなる借入が必須でしょう。
しかし鴻海との話が進まないとなると、それも難しいかも知れません。
銀行としても困ったところだと思います。
シャープは、社長と会長あるいは元会長の間で意思統一がされないまま、
3月からこの問題を抱えていて未だに鴻海との話を進めていません。
私に言わせると、交渉のスタートラインに立てていないという
レベルだと思います。
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▼ 日本のエレクトロニクス業界は、台湾と韓国の草刈り場と化しつつある
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NECやシャープと同様、全く良い所がないまま、台湾企業の草刈り場と
化しているのが、ルネサスエレクトロニクスです。
先日ルネサスエレクトロニクスに、米投資ファンド、
コールバーグ・クラビス・ロバーツ(KKR)が約1000億円の出資を
提案したことが明らかになりました。
ルネサスの時価総額は同日現在約950億円で、KKRの出資が実現すれば、
ルネサス株の過半を握ることになるとのことでした。
NEC、三菱電機、日立製作所の3社から分社化する形で誕生した
ルネサスエレクトロニクスですが、売上高はこの3年間で1兆2000億円から
8000億円に減少し、一度も黒字を経験していないという状況です。
元の3社の工場19個を足しただけで、1つも閉鎖していないのは驚きです。
今後KKRが考えているシナリオは、残っている株を買い集めて非上場にし、
3年から5年かけて会社を叩き直してから売却する、というものだと思います。
売却先の有力候補としては台湾のTSMCが考えられます。
KKRはファンドですから、年利20%が確保できればOKという感覚でしょう。
またファンドが長期間にわたって経営をすることは考えにくいですから、
今回の件も「誰か」に依頼された可能性が高いと思います。
おそらく「台湾勢」「韓国勢」のどちらかではないかと私は見ています。
NEC、シャープ、ルネサスエレクトロニクス、いずれの経営状態を見ても
全く良いところはなく、残念ながら日本のエレクトロニクス業界は、
台湾と韓国の草刈り場と化しつつある、というのが厳しい現実だと思います。