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日産の凋落と衰退
国内自動車の中で唯一の全項目マイナス
日産経営の翳りがついに表面化
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●日産ゴーン経営の翳りが、いよいよ表面化の局面に突入
以前から日産自動車のゴーン氏について、
ネガティブ・ウォッチとして警鐘を鳴らしてきましたが、
ゴーン氏のカリスマ経営の翳りという兆しが、ついに
最近では実際の数字として表面化してくるようになりました。
06年度4-9月の国内乗用車8社の
国内生産、国内販売、輸出、海外生産実績(速報値)によると、
日産自動車を除く7社は国内生産および輸出において
前年同期比を上回りました。日産自動車のみ8年ぶりに
全ての項目でマイナスになっています。
いずれの項目においても、
トヨタが圧倒的な力を見せつけて群を抜けつつあります。
ホンダは国内販売台数が落ち込みましたが、
全世界規模で見るとプラスになっているので
健闘しているといっていいでしょう。
一方、日産は、国内生産、国内販売、輸出、海外生産実績の
いずれの項目でも前年同期比がマイナスになっているという
状況ですから、ここにきて日産が一人負けという構図が
いよいよ明確になってきたと言わざるを得ないでしょう。
そして、これは日本国内だけでなく、
アメリカでも同じですし、さらに言えば、
ヨーロッパにおけるルノーも全く同じ展開になっています。
つまり、ゴーン関連は軒並み一人負けの状態に
陥っているということが明らかになってきています。
こうした決算の数字だけでなく、別の観点からも、
日産の凋落、衰退の兆しが現れてきています。
例えば、米エネルギー省の環境保護局が発表した
米国自動車燃費ランキングです。
※「米国自動車燃費ランキング」チャート
1位:プリウス(トヨタ)、2位:シビック(ホンダ)、
3位:カムリ(トヨタ)と続き、トップ3を日本勢が独占し、
日本勢以外でトップ10に入ったのはエスケープ(フォード)、
アクセント(現代)、リオ(起亜)のみという状況に
なっています。
これだけ、日本勢の車が高評価を受けているにもかかわらず、
日産の車は一台たりとも名前を見つけることができません。
日産はこの分野においてかなり遅れています。
そして、ガソリン価格が高騰した最近の事情もあって、
この日産車の実態・実力では、販売台数が伸び悩む結果に
なるのも、うなずけるといったところでしょう。
●日産復活の手立てとは?
トヨタの時価総額が25兆円を突破し、破竹の勢いを見せて
います。PERでは約18倍ですが、20倍を突破してもおかしく
ないでしょう。
※「株価の時価総額上位10銘柄」チャート
続くホンダの時価総額が8兆円弱、そして、日産自動車は
6兆円台という状況です。
この状況の中で、日産が回復する方法とは何でしょうか?
それは、GMの買収です。以前のこのメールマガジンでも
紹介しましたが、6兆円でもまだGMの時価総額を上回ります。
ならば、GMを買収するという戦略をとるべきだろうと
思います。そうすることで、GMのレガシーコストを解消し、
GM単体でも利益が出る体制を作り上げることができるだろうと
私は見ています。
ただし、この場合には、まず日産とルノーの資本関係を
整理するため、日産がルノーを逆買収しておくことが前提に
なります。
詳細は、本メルマガ7月7日付#120号をご覧下さい。
→ http://www.lt-empower.com/mag2/konews/magbk060707.html
ところで、10月30日号のビジネスウィークに、
凋落する日産とGMを皮肉る記事が掲載されていました。
結局、買収・提携に至らず、意見が噛み合わなかった両者
ですが、ちょうどそのような交渉が行われた直後に、日産と
GMが発表したCMの内容が驚くほど似ていたというものです。
CMでは驚くほど同じコンセプトを打ち出せるのに、
経営戦略の点では歩み寄れないという点を冷笑した記事に
なっています。
ほとんど同じタイミングで酷似したCMが流れたのは、
偶然のタイミングとして出来すぎだと感じる点もあります。
当たり前の話ですが、CMとは違って経営戦略から見れば、
この両者の経営が上手く行っていないのは偶然ではなく
必然です。
私はずっと以前から、ゴーン氏の経営姿勢について、
ネガティブ・ウォッチだと主張してきました。
このメールマガジンでも、「日産の工場減産」という
小さな翳りの兆しが、今後大きな数字となって現れてくると
予測していました。
詳細は、本メルマガ6月23日付#118号をご覧下さい。
→ http://www.lt-empower.com/mag2/konews/magbk060623.html
非常に残念なことに、
私の予測通りになってしまっています。
せっかく素晴らしいV字回復を果たしたのですから、
それらを無駄にしないためにも、経営戦略を練り、
しっかりと「経営」をするという姿勢をゴーン氏には
見直してもらいたいと強く感じます。
以上