大前研一「ニュースの視点」Blog

KON709「安倍首相/日韓関係/朝鮮半島情勢~安倍首相が、バルト三国訪問で本当にやるべきだったことは?」

2018年1月19日 安倍首相 日韓関係 朝鮮半島情勢

本文の内容
  • 安倍首相 ラトビア・クチンスキス首相と会談
  • 日韓関係 慰安婦問題めぐる日韓合意で新方針発表
  • 朝鮮半島情勢 北朝鮮の平昌五輪参加合意で「南北対話が再開」

安倍首相が、バルト三国訪問で本当にやるべきだったことは?


安倍首相は13日、ラトビアのクチンスキス首相と会談し、その後の記者会見で「法の支配に基づく国際秩序が挑戦を受ける中、これを維持・強化すべく緊密に協力」すると表明しました。日本は北方領土交渉に絡み、ロシアに融和的と見られる恐れがあることから、あらためて厳しい姿勢を示しました。

安倍首相のバルト三国の訪問ほどみじめで意味が無いものはない、と私は感じます。バルト三国はロシアと対立しています。プーチン大統領に何度も会って、ロシアに寄り添う姿勢を見せている日本の首相が1回会いに行ったところで、何がどうなるものでもありません。

あまつさえ、そこで北朝鮮のミサイルが射程圏内にあるという脅威を訴えたというのですから、呆れるばかりです。パリやロンドンでさえ射程圏内なので、そんなことは言われなくてもわかります。

そもそもエストニアやラトビアの人たちにとっては、北朝鮮の長距離ミサイルよりも、数千発のロシアの短距離ミサイルのほうがよほど問題であり脅威です。バルト三国もNATOの加盟国ですから、ますますロシアとの緊張関係は高まっていると言えます。このような背景があるにも関わらず、北朝鮮を話題に出すのは、外交のセンスが欠如していると思います。

また安倍首相は、各国をそれぞれ半日程度で回ってきたそうですが、これもまたセンスがないと私は感じます。例えばエストニアであれば、電子政府の技術は世界最先端を誇ります。日本のマイナンバーなど比べ物になりません。なぜ、エストニアに行ってそれを学ぼうとしないのか?私には理解できません。さらに言えば、エストニアをベンダーとして考えて、ライセンス提供を受けて電子政府の立ち上げを任せるくらいのことを検討するべきだと私は思います。

ラトビアなら、港湾として北欧に入っていく拠点になり得ますから、ビジネスの拠点として活用できるか検討することもできたでしょう。

安倍首相にしても外務省にしても、せめてこのくらいのことは背景として理解し、外交に臨んでもらいたいところです。


文在寅大統領は全く信用に値しない


韓国の康京和外相は9日、2015年の日韓合意について公式な合意であった事実は否定できないとして日本政府に再交渉は求めない一方、日本政府が拠出した10億円の代わりに韓国政府の予算を充てる新たな方針を発表しました。また文在寅大統領は10日、慰安婦問題の解決には「日本が真実を認識し、被害者に心から謝罪」することが必要と指摘しました。

韓国側と日本側の認識がそもそも異なっています。日本政府はこれまでにも公式に何度も謝罪をしてきましたし、お金も出しているという認識です。しかし韓国側が求めているのは、お金ではなく、「直接の」謝罪です。つまり、マイクに向かって話す「公式の」謝罪ではなく、日本のトップが直接慰安婦の人たちに会って謝罪する、ということを求めています。

今となっては直接の謝罪などすると、またさらに文在寅大統領から何を要求されるかわかりませんから、この問題は触れないようにしておくのがよいと思います。私は何度も言っていますが、文在寅大統領は信頼に値しないのであてにしてはいけない人物です。

9日に開催された南北閣僚級会談で、北朝鮮が平昌五輪に参加することに合意したことを受け、韓国の文在寅大統領は10日、行き詰まっていた南北対話が再開されたと述べ成果として強調しました。

しかしここで言う成果というのも、まったくあてにできません。北朝鮮が平昌五輪に参加することに合意したとのことですが、さっそく北朝鮮側は「核の放棄」を前提とするのであれば、五輪への派遣はしない、と言い始めています。まさしくこれが北朝鮮です。北朝鮮という国がそんなに簡単に変わるわけがありません。韓国としても、日米あるいは国連の手前、「核の放棄」を前提とするというのは言わざるを得ないことですが、北朝鮮はそこに怒りを覚えています。

また、北朝鮮が五輪に送り込む約500人の選手の滞在費を誰が捻出するのか?という別の問題もあります。北朝鮮にはお金がありませんから、韓国が負担するということになりますが、これは国連の制裁決議違反です。北朝鮮を金銭面で援助することになるからです。この点から見ても、文在寅大統領の思惑はすでに詰んでいます。

文在寅大統領が本当に何をやりたいのか?全く理解できません。日本としては文在寅大統領の行動・発言を真に受けず、そして信用もせずに対応していくことが重要だと思います。


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※この記事は1月14日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています



今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?


今週は、安倍首相や韓国の話題を中心にお届けいたしました。

バルト三国に訪問した安倍首相。
それに対して大前は、各国の背景をしっかり理解した上で、
外交に臨んでもらいたいと指摘しています。

例えば、世界最先端のエストニアの電子政府の技術を学ぶなど、
成功した事例とその理由を具体的に読み解くことが重要です。

事例を学ぶ際には、成功事例だけを学ぶだけでなく、
失敗事例も探し、その理由を探ることも大切です。

ノウハウを積み重ねることで、
自分が応用できるパターンとして認識し、
ビジネスの勝率を高めることができます。


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