大前研一「ニュースの視点」Blog

〔大前研一「ニュースの視点」〕KON513「ダークプール・国内株式市場〜取引所そのものの存在価値を考える」

2014年4月18日


ダークプール 株式市場歪めるダークプール

国内株式市場 日経平均終値1万3960円


-------------------------------------------------------------

▼ ダークプールを問題視する前に、取引所そのものの存在価値を問うべき

-------------------------------------------------------------


ロイターは8日、『株式市場歪める「ダークプール」』と題する記事の中で、

ルイス氏の新著「フラッシュ・ボーイズ:ウォール街の反乱」を挙げて、

注目を集めた超高速トレードに関連し、投資家にとって、

より深刻な脅威は取引所の外でやりとりされる取引

「ダークプール」が増大していることだと指摘しています。


市場によっては、取引の40%は場外で取引されています。


しかも、時間外にプロ同士のトレーディングだけで

成立してしまいます。


売りと買いがあれば、取引所でなくても私設市場で良いわけです。


またもう1つ問題視されているのが、

フラッシュボーイズ(超高速プログラムトレーディング)です。


フラッシュボーイズにはインサイダーまがいの取引もあると

疑われており、規制当局などが調査していることを認めています。


フラッシュボーイズとダークプールという2つが、

市場を歪める原因となっていると指摘されています。


しかしここで見過ごしてはいけないのは、

取引所そのものの問題点です。






今の取引所は、取引コストが高すぎますし、

最良執行ルールがあるにも関わらず、

まともに実行している取引所は一つもありません。


こうした点に、ダークプールがはびこる素地があると、

私は見ています。


市場を歪めているという見方だけではなく、

取引所そのものの存在価値が問われていると

捉えるべきでしょう。


将来的に取引所で最良執行ルールが正しく運用されれば、

日本株であっても日本の取引所で売買する必要はなく、

最も有利な場所で取引されることになります。


ある意味、理想的な状況ですが、

個人投資家にとっては厳しくなります。


もしかしたら、個人投資家は全てファンドに

任せざるをえない状況と言えるかも知れません。


-------------------------------------------------------------

▼ 上げ材料がない日本経済。5月、6月はどうなっていくのか?

-------------------------------------------------------------


11日の東京株式市場で日経平均株価は大幅反落し、

日経平均の下落幅は一時400円を超え、終値ベースで

1万4000円を下回りました。


終値での1万4000円割れは昨年10月以来、

約半年ぶりとのことです。


日本経済に対する上げ材料がない状況ですから、

この株式市場の下落は頷けます。


具体的には、アベノミクス第3の矢「成長戦略」が

何も出てきていないことに対する失望。


そして、黒田日銀総裁が「追加緩和」はしないと

発表したこと。この2つが大きく影響していると思います。


4月第1週を見ると、消費税が8%に上がった後で、

テレビなどの売上が3割~4割落ち込んだと報じられました。


想定を上回る落ち込みになっています。


消費税の影響を見ても、あまりいい材料がありません。


安倍政権には追加経済刺激策が必要だと考える人も、

少なからず出てきているでしょう。


ただし、現在は時期的に「下げ局面」だということも

考慮すべきです。


昨年も5月、6月というのはアップダウンが激しい時期でした。


株主総会が集中するため、色々な事態が起こってきます。


これからしばらくの間は、日経平均から

目が離せない状況が続きます。




問題解決力トレーニングプログラム

問題解決力トレーニングプログラム

大前研一 ニュースの視点 Blogトップへ

  • メルマガ

    ニュースの視点メルマガ登録

最近の投稿記事

ニュースの視点メルマガ登録

ブログの更新情報

バックナンバー

  • facebook
  • twitter

各種ソーシャルメディアで様々な情報をお届けしております。

大前研一 ニュースの視点