任天堂 健康テーマの新規事業展開を発表
ソニー アメリカでの特許出願代行を開始
ルネサスエレクトロニクス 液晶向け半導体から撤退
日立製作所 連結営業利益5100億円見通し
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▼ 任天堂はコンソールに執着しすぎて、自らの首を絞めている
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任天堂の岩田社長は30日、「健康」をテーマにした
新規事業を展開する方針を示しました。
健康領域に関して岩田社長は、これまでゲームを主力としてきた
任天堂の事業領域を「一歩広げて考える」と指摘。
2014年中に事業内容の詳細を示して2015年度中に
開始する予定とのことです。
就任後しばらくは良かったのですが、
最近の任天堂を見ていると、
私は岩田社長の舵取りに不安を感じます。
スマホには手を出さず、従来からのコンソール商品に
こだわり続けて、ついに任天堂は赤字に転落しました。
任天堂はずっと6000億円程度の売上で安定してきた会社ですが、
2008年~2010年頃にかけて圧倒的なピークを迎えました。
それをもたらしたのは、任天堂DSとWiiの大ヒットでした。
ところが、あっという間に主体は変わり、
今はもうそれぞれの後継機種が発売されています。
残念ながら、任天堂DSやWiiほどの大ヒットにはなっていません。
ここに任天堂の大きな課題があります。
すなわち、コンソール商品の寿命が短すぎるのです。
あれだけの大ヒット商品の寿命がわずか3年です。
これは任天堂がコンソールに執着し過ぎているからでしょう。
普通であれば、コンソール商品を出してヒットしたら、
そこで使えるソフトを次々と発売していくべきです。
そうすれば、コンソールの価値はますます高まり、
寿命も長くなるはずです。
新しいコンソール商品をすぐに発売してしまうのは、
自らの首を締めているようなものだと私は思います。
Xboxがソフトを充実させることで
順調な様子を見せているのですから、
任天堂もそれに倣うほうが良いと私は感じています。
この状況で、さらに健康をテーマにした新規事業と言われても、
何とも不安は拭えません。
今さら健康業界で爆発するとは思えません。
3期連続赤字の責任をとり、岩田社長は報酬を
5カ月間半減させると発表していましたが、そんなことよりも、
今示している方向性に私は大いに不安を感じてしまいます。
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▼ 特許出願代行は、ソニーでなくとも、インドに多くの会社がある
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ソニーはインドの特許業務受託大手イーバリューサーブなどと組み、
米国での特許出願業務を担う合弁会社を設立します。
人件費の安いインドで書類を作成。
自社以外の日本企業からも業務を受託し、
規模の利益で費用を下げるとのこと。
特許訴訟の頻発で米国での特許出願を増やす日本企業の需要を
開拓する見込みだそうですが、今さら何を言ってるんだ?
というのが私の正直な感想です。
すでに私は、今から約20年前のインドで、世界各地の特許について
必要な言語に翻訳し、特許出願などの業務を代行してくれる会社を
いくつか紹介されました。
その1つがイーバリューサーブです。
英語力の高さなどもあり、インドというのは、
この種の業務に昔から非常に強いのです。
確かに特許訴訟件数は増えているので需要は高まっていくと
思いますが、私ならソニーに依頼するまでもなく、
直接インドの会社を探してきて依頼してしまうでしょう。
そのソニーに工場売却を決定したのが、
経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスです。
ルネサスエレクトロニクスは液晶向け半導体から
完全撤退する方針を固めたとのことです。
スマホなどに搭載する中小型液晶用半導体の開発子会社を売却し、
自動車向けに経営資源を集中し再建を急ぐとのことですが、
果たして持ちこたえることができるのかどうか、
難しいところかも知れません。
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▼ 日立の本当の意味での再建には、キーとなる事業が求められる
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日立製作所は2014年3月期の連結決算で、営業利益が23年ぶりに
最高を更新する見通しを発表しました。
予想は5000億円でしたが、鉄道インフラや自動車関連事業などの
好調で5100億円(前期比21%増)に上振れする見込み。
リーマン・ショック後に進めてきた不採算事業売却や
グループ再編も実を結んだ形になりました。
日立の再建は、儲かっている会社があればそれを取り込む
という形で行われました。
日本で最大級の会社の1つですが、最近の決算をみると、
売上は伸びていないが利益は回復しているのがわかります。
つまり、成長産業をみつけて参入した結果、
大きな利益を上げたというものではなく、赤字事業を
どんどんリストラして、スリムになった結果だと言えるでしょう。
ゆえに、これから先、さらに売上を伸ばしながら
好業績を維持できるのか?と問われると、
なかなか難しいかも知れません。
キーとなる事業が必要です。
欧州でも受注するなど、日立は鉄道にも力を入れていますが、
毎年安定的に売上が上がる事業ではないので、
キーとなる事業という意味では、
さらに別の事業が求められると思います。