イラン核開発問題 イラン、6カ国協議が合意
ドイツ情勢 与野党が連立政権樹立で合意
スイス情勢 高額報酬への上限設定
ベトナム言論統制 ネットの政府批判に罰金
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▼ イランとの将来に、もしかすると新たな可能性
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イランの核開発問題を巡る同国と米英ロなど6カ国の協議は24日、
イランが高濃縮ウランの製造を停止するなど核開発を縮小する見返りに
米欧が経済制裁の一部を緩和することで合意したとのことです。
あと1年は経過処置なので、まだ事態がどう転んでいくのかは
わかりませんが、重要な事は6カ国とイランが話し合いの場を
持ったということです。
そして、北朝鮮とは違って、本当に履行するという意味で
合意できそうだということです。
当然、サウジアラビアやイスラエルへの説得など、
同時に問題となるものも出てきますが、米オバマ大統領も
想定していることと思います。
米国民には決して人気がある政策ではないと思いますが、
イランと対話を続けていくことは、私は良いことだと思います。
正直、まだ中身が不明な点が多いですが、経済制裁が解除されれば、
日本もイランと良い関係が築けるのではないかと期待したいところです。
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▼ 日本の連立もドイツや英国に学べ
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ドイツでは、新政権がクリスマスまでに誕生する可能性が
高まっています。
メルケル独首相が率いる保守系与党キリスト教民主・社会同盟と
最大野党・社会民主党は27日、連立政権樹立で合意しました。
メルケル首相の保守系与党が大勝利を収めた総選挙から
約2カ月後の合意となりました。
選挙での大勝利が何だったのか?と思わせる連立政権ですが、
内容を見てみると大勢に影響はないといったところでしょう。
脱原発政策の問題などは引き続き大きな課題だと思います。
2035年には再生可能エネルギーの割合を55%~60%にすると
言っていますが、今でもドイツの経済界は困っている状況です。
もう少し、冷静に考えなくてはいけないと思います。
今回の連立政権の発足にあたり、約186ページに及ぶ
ドキュメントが作成されています。
連立を組むことの「重み」を感じられます。
日本は大いに勉強すべきでしょう。
日本の連立政権など、軽すぎます。
私が過去に見た例で言えば、わずか1枚の紙しかなかった事例も
あります。
英国なども連立政権の発足にあたり、会談も細かく設定され、
きちんとしたドキュメントが作成されています。
そして、それを選挙民に開示するというのは
素晴らしい姿勢だと思います。
今の自民党は連立の必要はありませんが、野党連立が
野合と言われないためにも、ドイツや英国を参考に
大いに勉強してほしいところです。
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▼ スイス人の冷静さ、議論の姿勢/ベトナムの将来に暗い影
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スイスで24日に行われた国民投票で、企業の最高報酬を
最低の12倍までに制限する法案が反対多数で否決されました。
多くの多国籍企業が本社を構えるスイスでは、幹部らが受け取る
超高額報酬への不満が一部で広がっていました。
しかし、最高報酬を制限したとしても、結果として多国籍企業が
出て行くだけで、優秀な人材がスイスに来てくれなくなるのは
良くない、とスイス国民が判断したのです。
しかも直接選挙の結果を見ると、圧倒的多数で否決されています。
もし日本で同じことを聞けば、例えば、社長の給料を新卒新入社員の
12倍までに制限するといった案が投票にかけられた場合、
賛成する人が多いのではないかと思います。
スイス人の冷静さ、そして直接選挙という形で議論する姿勢を
持ち合わせているのは、非常に素晴らしいことだと思います。
一方で、非常に残念なニュースが飛び込んできたのはベトナムです。
ベトナム政府はこのほど、フェイスブックなど
インターネット交流サイト(SNS)で政府を批判した個人や組織に
最高1億ドン(約49万円)の罰金を科す政令を公布しました。
中国と同様、共産党一党独裁の国ですから、
以前から私はベトナムを信用していませんが、
それにしても今回の決定は残念です。
これまで中国に比べれば、政府批判に寛容だったベトナムですが、
今回のSNSで政府批判をしただけで罰金というのは、
ベトナムの将来に大きな影を落とすことになると思います。
決して、ベトナムにとって良いことではありません。