パナソニック プラズマテレビ向けパネル生産停止へ
三洋半導体 最大910人を削減
NEC NECビッグローブを売却
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▼ パナソニックは、松下幸之助時代に逆戻りしている
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日経新聞が報じたところによると、9日、パナソニックは
2013年度末をめどにプラズマテレビ向けパネル生産を
停止する方針を固めました。
生産拠点の尼崎工場も売却する方針で同事業から完全撤退。
プラズマテレビ事業は同社が13年3月期まで2年連続で7500億円を
超える最終赤字を計上する要因の一つでした。
最大の懸案に区切りがつくことで同社の構造改革が
大きく前進する見込みとのことです。
パナソニックは、いわゆる「プラズマテレビ VS 液晶テレビ」
の戦いに敗北しました。
性能的には大きな差はなかったと思います。
しかし、生産コスト、ディスプレイの巨大化への対応の面で
液晶に軍配が上がりました。
とはいえ、液晶テレビの勝者であったはずのシャープも、
厳しい経営状況に追い込まれていますから、結果として言えば
「ダブルノックアウト」状態といったところでしょう。
問題は、パナソニックが今後の事業の軸を
どこに定めていくのか?ということです。
日本では白物家電や住宅関連が好調ですが、どちらも海外では
ほとんど実績を作れていません。
今パナソニックは再び「松下幸之助時代」に逆戻りした
状況だと言えると思います。
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▼ パナソニック、三洋の苦しみを引き継いだだけか?
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米半導体メーカーのオン・セミコンダクターは8日、
子会社の三洋半導体で同社の全社員の半分近くに相当する
最大910人を削減すると発表しました。
埼玉県の工場を2014年6月までに閉鎖し、希望退職も募集します。
事業体制を見直し、年間5000万ドル(約48億円)規模の
コスト削減につなげるとのことです。
今回46億円のコスト削減につなげるということですが、
歴史を紐解くと、非常に悲しい物語があります。
まず2004年に新潟中越地震で被災し、
700億円の損失を計上しています。
その後、分社化して三洋半導体の売却先を募集し、
2007年にはアドバンテッジパートナーズが名乗りをあげるものの、
実現には至らず。
結局、パナソニックが買収し、1200人の人員削減と
海外工場の集約(7箇所→4箇所)が行われました。
そして、2011年になって米オン・セミコンダクターが360億円で
買収しましたが、タイのアユタヤにある工場が洪水で
閉鎖に追い込まれてしまいました。
米オン・セミコンダクターとしても、
本当に買収したことが良かったのか?
単に三洋とパナソニックの苦しみを引き継いだだけ
ではないのか?という気がしてしまいます。
パナソニック、三洋と同じように、
厳しい環境に追い込まれているのが、NECです。
NECはインターネット接続子会社のNECビッグローブを
売却する方針を固めたと報じられました。
NECは7月にスマートフォン事業から撤退するなど、
消費者向けの事業を縮小しています。
経営資源を成長の柱に位置付ける社会インフラ事業に
振り向ける方針とのことです。
NECビッグローブは売上が700億円~800億円あるので、
そこそこの金額で買収が成立すると思います。
時代の流れを見ると、ブロードバンドサービスは、
固定系サービスから移動系サービスに軸が移ってきています。
固定系では、業界4位で個人を中心に302万人の会員がいる
NECビッグローブ。
おそらく、携帯系サービスを展開する企業が、顧客ごと
買収する形になるのではないかと思います。