福島第一原発
初期被曝量を分析
原発安全対策
新安全基準の骨子案発表
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▼ 神経質になり過ぎず、データを客観的に見て判断する
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弘前大被ばく医療総合研究所は11日、福島第1原発事故による
放射性ヨウ素131による甲状腺の内部被ばく量は、
推定で最大4.6ミリシーベルトだったと発表しました。
これは事故から数ヶ月後に調査を受けた福島県浪江町の町民2393人の
データをもとに調査したもので、 国際原子力機関(IAEA)が健康被害を
防ぐために定めた安定ヨウ素剤の服用基準(50ミリシーベルト)より低く、
健康への影響は小さいということです。
比較的早いタイミングで調査を行なっており、放射性ヨウ素と
セシウムの比率を見てセシウムの量から逆算して当時の放射性ヨウ素の
被ばく量を計算したものです。
今回発表された数値によれば、例えば数十年後に甲状腺がんの発生率が
2倍になってしまうというような事態は考えにくいと分かります。
この調査は非常に貴重だと思います。浪江町は最も被ばく量が
多かった地域です。
そのデータを客観的に見れば、過剰に反応して被ばく恐怖症に陥ることも
ないでしょうし、1ミリシーベルト単位まで除染するべきという
極端な意見になることもないはずです。
しっかりとデータに基づいて考えれば、神経質になるべきではなく、
どこに集中的にお金を使うべきか判断できると思います。
そのような判断ができるか否かで、費やされるお金は何百倍も違ってくる
可能性もあるでしょう。
非常に貴重なデータだと思います。
感情的になり過ぎず、データに基づいて判断することが大切だと私は思います。
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▼ 第2制御室は必ずしも必要ない
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原発の新しい安全基準を検討している原子力規制委員会は11日、
地震や津波、テロなどに伴う過酷事故対策の骨子案を示しました。
今ある原発の運転室(中央制御室)とは別に、原子炉の冷却やベント(排気)が
遠隔から操作できる「第2制御室」の設置などを盛り込んだもので、1月末までに
骨子をまとめ、7月に基準を策定、原発再稼働の可否を判断するとのことです。
この方針の一部には、私が発表したレポートの内容を踏まえ、
いかなる時にも「電源」と「冷源」を確保する重要さが記載されています。
この点については納得できますが、「第2制御室の設置」を必須と
すべきかどうかは疑問の余地があると思います。
福島第1原発事故の教訓を活かすという意味で言えば、
福島第1原発には免震重要棟という「第2制御室」が設置されていました。
原子力規制委員会がどこまで事実を把握しているのか分かりませんが、
福島第1原発の場合には、第2制御室が健在でも電源と冷源が確保
できなかったために、あのような惨状を招いてしまったのです。
ゆえに私としては、「電源」と「冷源」が確保できれば、
あえて「第2制御室」を作る必要性を感じません。
仮に作るとしても、それほどお金をかけずに作るべきでしょう。
またテロリスト対策という点で言えば、「第2制御室」は
外に情報を漏らさず、ひっそりと作らなければ意味がありません。
「第2制御室」の場所を知っていれば、テロリストはそこを
襲撃するからです。
再稼働を認可する方針など今後も課題が残っていますが、
原子力規制委員会の発表を聞いていると、
まだ少々混乱しているのではないかと不安を感じてしまいます。