韓国公営企業
純資産価値約14兆円
韓国国債格付け
韓国格付けを引き上げ
-------------------------------------------------------------
▼ 日本と韓国では、国営・公営企業に対する国家の運営方針が全く違う
-------------------------------------------------------------
韓国の公営企業は、資産から負債を差し引いた純資産価値が
1777億ドル(約14兆円)で、経済協力開発機構(OECD)加盟国28カ国で
最も大きくなっています。
一方で、韓国の公営企業は負債が大幅に増加しています。
韓国企画財政部によると、286機関の昨年の負債総額は
463兆5000億ウォン(約32兆円)に膨れ上がりました。
海外の格付け会社は、韓国経済のリスク要因として警告しています。
公営企業の資産価値総額が14兆円というのは、
かなり大きな数値だと思います。
率直に資産内容の良さには驚きました。
一方日本では全ての公営企業を足しあわせても「マイナス」になっています。
ここには、日本と韓国の国家運営における
方針の違いが如実に表れています。
韓国の場合、ガス、石炭、石油、電力、国際空港、道路、水資源など、
多くの公営企業がありますが、これらの企業には国家が独占性を与え、
税金の負担を少なくしています。
健全経営ができるような国家によるバックアップがあると言えます。
一方、日本の場合には「なんちゃって」国営、公営と
言わざるを得ないでしょう。
赤字を積み重ねて、最後はJRのように数十兆円の赤字を抱えたまま、
国民に売りつけるという始末です。
-------------------------------------------------------------
▼ 国債格付けで上回ったものの、手放しに喜んでいる場合ではない
-------------------------------------------------------------
欧州系大手格付け会社のフィッチ・レーティングスは6日、
韓国の国債格付けを「シングルAプラス」から、上から4番目の
「ダブルAマイナス」に1段階引き上げ「シングルAプラス」の
日本を上回りました。
格上げの理由として、世界経済が不安定な中でも経済、金融が安定
していることや、持続的な財政規律など堅実なマクロ経済政策を
実行していることを挙げています。
朝鮮日報を読むと、このニュースは「韓日経済の歴史的な事件」として
大々的に報じられていました。
98年のIMF危機で国家破綻した韓国からすれば、わずか十数年のうちに
日本の国債格付けを上回るまで回復できるとは、
正直想像していなかったでしょう。
この十数年の経済回復力には目を見張るものがあったと思いますが、
だからと言って手放しに韓国経済を賞賛するわけにもいきません。
というのは、ミクロ的な視点で直近の韓国経済の状況を見てみると、
驚くほど悪いからです。
最も象徴的なのは、若年層の失業率の高さです。
若年失業率は異常に高くなっていて、雇用機会が失われてきているのが
分かります。
格付け機関のレーティングも「後出しじゃんけん」のような
側面もあるので、今回のニュースだけで、韓国国債には将来性があり
韓国経済の未来は明るい、と判断してしまうのは早計でしょう。
また他社の格付けを見ると、未だに日本国債はネガティブウォッチでは
あるものの、韓国と同等、あるいは上回る水準にあります。
韓国としては「韓日経済の歴史的な事件」と喜びたい気持ちも分かりますが、
実際には手放しに喜んでいられる状況ではないと私は思います。