電力不足
7月から天気予報を開始
九州電力
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▼7月、8月の電量不足をどのように乗り切るか?
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九州電力は23日、毎日の予想電力需要を示す「電気予報」を7月初
めに開始する方針を決めました。
停止中の原子力発電所3基を再稼働できないままで、今夏、需給が逼
迫する恐れがあるため、グラフなどで電力の需給状況などを分かりや
すく示し、利用者に節電への協力を促す考えです。
一方、東京電力管内の電力需要は、24日、3日連続で今年度の最高を
更新しました。朝方から関東地方で気温が上昇し、冷房の需要が拡大
したことが背景にあります。
私は震災発生直後の4月の段階から「電力警報」を準備するべきだと
主張してきました。
具体的には電力残量が10%を割り込んだら「警告」を発し、5%を割
り込む事態になったら強制的にいくつかの施設やサービスを停止する
処置が必要だと訴えてきました。
今回、九州電力をはじめ電力会社ベースで電気予報などの対応を始め
たわけですが、これは電力会社という企業単位で取り組むべきことで
はなく、国が主導して取り組むべきことだと私は考えています。
先ごろ、ある実験が行われました。電力不足の警告を国民に発するこ
とで、どのくらいの節電につながるかを確かめたものです。
具体的には電力残量がある一定数値を下回ったと仮定し、地震速報と
同じように携帯メールで電力速報を流しました。
この携帯メールには「冷蔵庫を2時間ほど停止してください」「可能
であればエアコンのスイッチを切ってください」など、具体的な指示
が書いてありました。
この実験の結果、日本の家庭で携帯による電力不足の警告と節電を呼
びかけると、約25%の節電効果があることが判明しました。
私は「10%」で警告を発し、「5%」になったら強制的にテレビ局の放
映をカットして国民に携帯電話で節電を呼びかけるなどの対応が必要
だと呼びかけてきましたが、効果があることは実証されたと言えるで
しょう。
今年の夏は昨年ほどに暑くはならないと見込まれていましたが、ここ
数日の様子を見ていると昨年同様、猛暑になりそうな雰囲気すら感じ
ます。
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▼ 四国電力からの電力供給が止まり、さらに厳しい状況に
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四国電力は、東日本大震災の翌日から実施している東京電力への10
万~20万キロワットの電力融通を中止する方針を明らかにしました。
定期検査中の伊方原発3号機の運転再開に地元の同意が得られず、7
~8月に電力不足の恐れがあるためということです。
これまで四国電力には電力が余っていたため、関西電力、中部電力、
そして東京電力へ電力を融通してきました。
原発再開のめどがたたないとなると、火力発電所を再稼働させること
で四国内の電力を賄うことはできるでしょうが、他へ融通することは
難しくなると思います。
原発を抱える13の同県で一斉に原発反対の動きが出ているので、四国
だけ抜け駆けするわけにもいかないでしょう。東京電力としては割を
食う形で追い込まれていくことになってしまうと思います。
このままの状態で、7月・8月を迎えると相当に厳しい状況になりま
す。電力残量の目安で考えると、5%~8%程度の余裕が必要です。
そうでないと、1つでも大型の火力発電所がトラブルに陥って停止す
る状況になると、ブラックアウト(停電)になってしまうからです。
私は何度もメディアなどで発表していますが、ブラックアウトを避け
るための基本的な考え方は「電力の集中排除」です。ここに軸足を置
きながら、国は対策を考えるべきだと主張してきました。
「サマータイムの導入」「週5日勤務の選択制度で平準化」「夏の甲子
園の中止」「東西グリッドの完全接続」などを柱にしつつ、個々人が
5%、15%、25%と節電に向かうように国が主導することです。
電力料金の見直しを図り、電力の使用量の削減率に応じて料金体系を
変更させるというアイデアも提示してきました。
こうした動きをサポートするために、先に述べた「電力警報システム」
を利用すれば、節電効果はさらに確実なものとなるはずです。幸か不
幸か、日本経済は今成長していないのでこうした地道な施策を実行す
るだけでも、何とか乗り切れると思います。
東京電力による計画停電は「愚行」としか言いようがない決断でした。
コンピューター社会を理解していない愚かな決断のために多大なダメ
ージを受けました。
万一、ブラックアウトを起こしてしまえば、計画停電の時と同様に大
きな損害を受けることになります。日本という国家として絶対に避け
なければならない事態だと思います。国が率先して対応に動くべきで
す。