電力対策 夏の節電「一律15%減」
海外旅行 4月の海外ツアー予約 前年同月比26.2%
消費動向調査 消費者心理の悪化顕著
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▼必要のない計画停電を実施した理由は?
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菅政権は21日、東京電力と東北電力管内における今夏の最大使用
電力の削減目標を、家庭、企業とも一律、前年比15%減とする方針
を固めました。
政府の当初案では、削減幅を大口需要家25%、小口需要家20%、
家庭15~20%と決めていましたが、供給力を増強するめどが立ち、
節電目標を引き下げるとのことです。
この発表と合わせて、夏の電力供給力について従来見通しの5200万
キロワットから約300万キロワット積み増し、通常の夏のピーク需要
である5500万キロワット分を確保する方針を東電は明らかにしてい
ます。
今さら「5500万キロワットは確保できる」と言われても、
一体どういう事なのか?と質問したくなります。
これらの数字を見れば、3月~4月に電力量のピークに達することは
絶対に有り得ません。それなのにあの時点で「計画停電」を行った
理由は何でしょうか?「計画停電」が必要なかったことは自明です。
おそらく夏にかけて25%程度電力が足らなくなる可能性があるので、
「今のうちから」国民に節電の癖をつけさせようという意図だったの
でしょう。
「計画停電」は日本全体を混乱に陥れました。電車が止まり、信号機
が止まり、日本を訪れる外国人の数も減るなど、結果として経済が
混乱し、未だに多くの産業でそのダメージは残っています。
私に言わせれば、これは東電の「人災」であり、極論すれば知的犯罪
とさえ言えるでしょう。同時に政府が許可したということですから、
その点でも愚策中の愚策と言わざるを得ないでしょう。
現時点では5500万キロワットの電力量を確保する見通しが立ち、
電力削減目標を「15%程度」で済むとのことですが、ここは甘く考え
ないほうが良いと思います。
今後の余震などによって1つでも火力発電所が機能しなくなれば、
あっという間に5%程度の発電量が失われてしまいます。
「15%程度」などというリラックスした目標ではなく、やはり「20%
~25%程度」という厳しい目標設定をするべきでしょう。今はまだ
リラックスする時期ではないと、気を引き締めて欲しいと思います。
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▼ 旅行業界などへの影響
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日本旅行業協会がまとめた旅行大手7社の4月の海外パッケージ
ツアー予約状況は、参加人数ベースで前年同月比26.2%減となり
ました。東日本大震災後の自粛ムードなどが響いたとのことです。
※「海外パッケージツアーの予約件数の推移」
→
海外パッケージツアーの予約件数は前年同月比26.2%減と大きく
落ち込み、旅行業界では値段を安くして何とか事態の打開を図ろうと
しています。
今後ゴールデンウィークでどれくらいまで回復するのかを見ていく
しかないでしょう。
訪日外国人旅行者数と出国日本人の推移を見ると、出国する日本人の
数も減ってきていますが、それ以上に「訪日外国人」の数が激減して
いるのが分かります。
2011年3月は前年同月比でマイナス50%以上になる見通しです。
これはあのリーマン・ショック後の数値よりもさらに悪い結果です。
※「訪日外国人旅行者数と出国日本人数の推移」
→
現状は厳しく今のところ回復の兆しは見えないとされていますが、
一部東京に外国人が戻ってきているようです。
先週末、私の妻がナショナル麻布に買い物へ出かけたところ、もの
すごく混雑していたそうです。外国人が久しぶりに日本に戻ってきて
冷蔵庫の中身もないので、買い物に来ていたのでしょう。
広尾あたりに注目していると、東京に外国人が戻ってきたかどうかは
大体分かります。午後のショッピングの体験からすると、外国人が徐々
に日本に戻ってきていると言えるでしょう。
一部回復への希望も見え始めていますが、それでも厳しい現状にあり
ます。この状況を悪化に導いた一因である東電の「計画停電」の愚に
ついては糾弾されて然るべきだと思います。
内閣府が19日発表した3月の消費動向調査によると、消費者心理の
動向を示す消費者態度指数は前月比2.6ポイント減の38.6となって
います。
この落ち込みの原因は「地震でも津波でも原子炉」でもなく、「計画
停電」によるところが大きいと私は見ています。
こうした事実を踏まえ、政府には「正しい認識」を持ってもらいたい
と強く思います。