- 本文の内容
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- ニュージーランド情勢 アーダーン首相が辞任表明
- ベトナム情勢 フック国家主席が辞任
- 中国人口統計 2022年末の総人口14億1,175万人
- 米サントス下院議員 元勤務先に投資詐欺の疑い
世界で高評価も国内の人気は低迷
25日、ニュージーランドのアーダーン首相が辞任しました。
同氏は2017年に首相に就任。
2018年には長女を出産するために産休を取り、世界の注目を集めたほか、新型コロナ対策では国民に寄り添う姿勢が国際的に評価されましたが、近年では物価高を背景とした景気後退懸念から支持率が低下していました。
世界中に知名度も高く、優秀だと思われていた人物ですが、国内での人気は低迷していました。
10月の総選挙で労働党を勝たせるだけの余力が無いという判断での辞任です。
次のトップはヒプキンス氏です。
ニュージーランドはオーストラリアとの経済的な結びつきも強く、関係を非常に重視しています。
アーダーン氏もヒプキンス氏も、オーストラリアのアルバニージー首相と首相交代について事前に話していたようです。
国家主席の更迭劇に驚き
ベトナムのグエン・スアン・フック国家主席は17日、共産党中央委員会総会で辞任の意向を示し、承認されました。
フック氏は最高指導部のグエン・フー・チョン党書記長に次ぐ序列2位です。
2021年に国家主席に就任しましたが、新型コロナ禍に起きた汚職事件の責任を問われ、党から更迭されたとみられます。
汚職とまではいかないまでも、日本にもコロナ支援金をうまくせしめた病院や企業がありますが、ベトナムでは国家主席が更迭される事態となりました。
党内の序列は党書記長の方が上だとされていますが、国家主席を更迭できるほどの権力があることには驚きを隠せません。
ベトナムと関係を築くにあたって、誰と話せばいいのかが分からなくなります。
フック氏は来日経験もある親日家で、日本では知名度も高く馴染みの深い人物でした。
一方で、チョン党書記長はあまり表に出てこないタイプです。
チョン党書記長の考えが不透明な現状では、ベトナムに進出している日本企業も不安だと思われます。
ベトナムへは政府開発援助(ODA)も行っており、親日的な国ですが、今後のベトナムとの関係に影を落とす出来事です。
人口世界一になったインドに注目
中国国家統計局が17日に発表した2022年末の人口推計によりますと、中国大陸の総人口は14億1,175万人と、前年末に比べて85万人減少したことがわかりました。
一方、国連の推計では、1日時点のインドの人口は14億2,203万人で、インドの人口が中国の人口を抜いたとみられます。
いずれ来る未来だと言われていましたが、思ったより早かったという印象です。
中国は今後急速に人口が減り続ける見通しで、1990年代にはインドに3億人の差をつけていましたが、2022年にインドに追いつかれ、さらに2050年には逆にインドが中国よりも3億人ほど多くなるとされています。
インドの人口ピークは更に先の2060年頃です。
インドは中国のような一人っ子政策はしていませんし、まだまだ沢山子どもを産んで、子どもたちに沢山働いてもらって、その稼ぎで親が生活するという考え方が根強いことが、人口増の理由だと考えられます。
とはいえ、一人あたりのGDPが増えてきた時には、必然的に人口減に向かうことになります。
日本は2022年に人口上位10カ国から陥落し、現在は11位です。
2050年にはさらに17位まで後退する見通しです。
今後はいかにインドに経済発展を続けてもらうか、その中で日本企業がどのような立場を築いていくかが重要になります。
日本企業ですと、現在自動車業界は存在感を示していますが、他分野でのインド進出はあまり事例がありません。
30年前に中国を研究したように、これからはインドを研究する必要があります。
私が主宰する経営者ネットワークの向研会でもインドには2回行っており、私自身もインド企業と合弁事業に取り組んだ経験がありますが、なかなか難しい国だという印象はあります。
嘘つきが議員になれる現状を危惧
2022年末に経歴詐称疑惑が報じられ、自身もその疑惑を認めた米国共和党のジョージ・サントス下院議員が、新たに投資詐欺の疑いがある会社でファンドマネージャーを勤め、「15億ドルを運用している」などと語っていたことがわかりました。
サントス氏をめぐっては、ニューヨーク州の検察当局が捜査に着手しているほか、共和党内からも非難の声が上がっていますが、サントス氏はこれまでのところ辞任の意向を示していません。
共和党としては、下院の議席が一つ減ることは大きな打撃なのですが、ここまで酷い人物だとさすがに度が過ぎると思われます。
まだ30歳過ぎの議員なのに、経歴詐称やペテンがどんどん明らかになり、ブラジルでは犯罪歴まであると言われています。
日本にもこうした事例はありますし、他所の国のことなので私が強く批判する立場にもありませんが、嘘で塗り固められた人物が議員となって、国政を左右する1票を持ってしまうことは、非常に危険だと思います。
情報を見る限りでは、トランプ前大統領と同様の噓つきです。
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※この記事は1月22日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
今週は中国人口統計のニュースを大前が解説しました。
大前は「いかにインドに経済発展しつづけてもらい、そして日本企業が自動車産業以外でどのようなポジションを取るかが重要」と指摘し、「30年ほど前から中国の経済発展を見込んで研究を始めたのと同様、インドの研究を大いに進める必要がある」と述べています。
変化の激しい時代においては、注目すべきトレンドを見極め、いち早く波に乗ることが求められます。
最新トレンドを知るためには、日頃から国内外問わず幅広いニュースに触れるよう心がけることが大切です。
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