- 本文の内容
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- 世界スポーツウエア大手 テクストトレーディング社を買収
- ブリヂストン 米アズーガHDを買収
- 米インテル 米クアルコムから半導体生産受託
海外展開を狙うフットロッカーにとって、アトモスはうってつけの買収先
米スニーカースポーツウェアの小売大手・フットロッカーは2日、日本のスニーカー専門店であるアトモスを展開するテクストトレーディングカンパニーを買収すると発表しました。
買収額は396億円で、これによりフットロッカーは急成長するアジアパシフィック市場での事業を強化する考えです。
アトモスはナイキなど多くの有名ブランドを取り扱い、マーケティングが非常に上手い企業です。
私はナイキの社外役員を5年勤めていましたが、フットロッカーとナイキの関係は非常に独特です。
似ている点として、スニーカーカルチャーを浸透させるという戦略を採用していることです。
即ち、スニーカーを入り口にして、ウェアや道具を展開していくという方法です。
ナイキもスニーカーから展開し、ウェアで全米1位に上り詰めました。
フットロッカーは自社と似たような総合的な展開ができる企業を探していたところ、意外なことに日本で条件の良い企業を発見したというところでしょう。
海外展開にも力を入れようとしていた矢先、フットロッカーにとっては非常に良い動きになったのではないかと思います。
DBを活用したサブスクモデルへ転換するブリヂストン
ブリヂストンは3日、運送事業者向けの車両管理サービスを手掛ける米アズーガHDを買収すると発表しました。
アズーガはGPSによる追跡や、ドライバーの動作の監視などを通じて、車両の運行を効率化させるサービスを手掛けています。
ブリヂストンはタイヤと車両のデータを組み合わせたサービスを構築し、タイヤ販売からの脱却を図る考えです。
ブリヂストン、グッドイヤー、コンチネンタルなど、各タイヤトップメーカーはだんだんとタイヤを単体で売ることから、タイヤを活用したサブスク型ビジネスへ転換を図っています。
タイヤのサブスクサービスは、利用者にとっては数年に一度タイヤを全て取り替えるよりもリーズナブルですし、一方のブリヂストンなどの企業にとっては、運行情報などを管理しながら、毎月少額ながらも安定的に収益を上げていくことができるというメリットがあります。
さらに、タイヤの買い替え時にユーザーが他のメーカーに乗り換えてしまうリスクを抑えることができるので、経営の見通しが立つという意味で非常に重要な施策になります。
運行情報を管理することで、今までのように「スリップサインが出たらタイヤ交換」ではなく、常に一番良い状態を把握してタイヤを提供できるので、サービスレベルも向上させることができるはずです。
そのために、フリート(運送事業者)に対する運行管理サービス専門会社であるアズーガを買収しています。
アズーガは6,000を超えるフリートと契約をし、政府機関や保険会社などにもサービスを提供しています。
ブリヂストンは数年前に欧州のフリート管理会社も買収していて、この動きを加速させています。
ブリヂストンはファイアストンの買収で苦労しましたが、現在は資金的にも問題がないので、この動きがどのように展開していくのか期待したいところです。
インテルの受託生産が半導体業界に与えた影響
米インテルは先月26日、半導体大手の米クアルコムから生産を受託したと発表しました。
インテルは2月に就任したゲルシンガーCEOのもと、半導体の自社生産を堅持する一方、受託生産にも本格参入する方針を示しており、生産拠点を分散する動きを追い風に成長が見込まれる受託生産事業を拡大する考えです。
インテルにパット・ゲルシンガー氏が戻ってきた結果、このような大きな動きを見せています。
インテルと言えば、これまで自社設計・生産だけに注力し、マイクロソフトとともに「Intel Inside」で市場を席巻してきました。
長い間トップに君臨してきたものの、近年になって受託生産のTSMCなどの躍進が著しくなっています。
半導体業界の状況を見ると、今でも売上のトップはインテルですが、サムスン電子とTSMCが次いでいます。
売上高はインテルの方が上ですが、技術的にはすでにTSMCがトップと言っても過言ではない状況です。
この点にインテルは危機感を感じているのだと思います。
その結果、受託生産という方法を採用したのでしょう。
受託生産も受けることになれば、売上規模も拡大しますし、それ以上に技術も確実に進歩します。
それこそ、本当の狙いだと思います。
インテルが受託生産を受けるというのは、他社にとっても非常に魅力的でしょう。
実際、競合相手のクアルコム、さらにはアマゾンのAWSからも早々に依頼を受けているようです。
TSMCもオランダの半導体メーカーASMLへ委託しつつ、インテルの受託生産も活用すると発表しています。
ゲルシンガー氏が打ち出したこの戦略が吉と出るか凶と出るのかはまだ分かりませんが、半導体業界全体に大きな影響を与えているのは間違いないでしょう。
半導体業界は栄枯盛衰が激しい業界です。
かつての世界トップ企業だったテキサス・インスツルメンツも、上位に位置していた日本の各社も、今では見る影もありません。
そんな半導体業界において、このようなインテルの柔軟なシフトチェンジがどのような展開を見せるのか、注目したいと思います。
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※この記事は8月15日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
今週はブリヂストンのニュースを大前が解説しました。
大前は「大手タイヤメーカーの多くがサブスクリプションサービスへ移行を進めている」と指摘し、「サブスクリプションサービスにより利用企業は常に良い状態のタイヤを利用でき、タイヤメーカーはずっと自分のメーカーのタイヤを利用してもらえるメリットがある」と述べています。
サブスクリプションサービスでは、売り切りモデルと比べてユーザーとの繋がりが鍵となります。
ユーザーがサービス加入後、ユーザーの活動に寄り添い、さらなるアップデートを支援する仕組みづくりが必要です。
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