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- ビール世界大手 英SABミラー買収で合意
- サントリーHD 青島ビールとの合併解消
- 東芝 画像用半導体事業をソニーに売却で最終調整
- 米サンディスク 米ウエスタン・デジタルが買収
- 電子部品大手 6社の受注総額約1兆4500億円
日本ビール4社は国際化に失敗している
ビール世界最大手のアンハイザー・ブッシュ・インベブ(ベルギー)は13日、2位の英SABミラーを買収することで基本合意したと発表しました。買収金額は13兆円という大きな規模になっています。
この合併により、世界のビール販売量のシェアを見ると、「アンハイザー・ブッシュ・インベブ(20.8%)+SABミラー(9.1%)」で約30%のシェアを占めることになります。3位に続くのがハイネケンで9.1%です。
日本では、キリン、アサヒ、サッポロ、サントリーの4社が熾烈な争いを繰り広げていると言われますが、世界市場から見ると「その他」に分類されるレベルに過ぎません。
国内だけでなく、ボーダレスワールドを意識して、もっともっと世界に目を向けるべきでしょう。
かつてアサヒビールは、オーストラリアのビール大手フォスターズの株式を保有していましたが、結局は維持できずに、そのほとんどを売却してしまいました。カナダのモルソン・クアーズの買収なども視野に入れて世界へ打って出るチャンスでしたが、今では見る影もありません。
また最近では、サントリーが中国ビール2位、青島ビール(山東省)との合弁を解消すると発表しています。ジンビームの買収の影響もあり、キャッシュを手に入れておきたいのでしょう。上海周辺ではシェア3位までになっていたのに、結局は中国にも入り込むことはできずに終了するということです。
国内トップの4社が、いかに国際化できていなかったのか。その課題があらためて浮き彫りになったと言えるでしょう。
東芝の最後の砦はフラッシュメモリー事業
東芝はスマートフォン(スマホ)などに使う画像用半導体事業をソニーに売却する最終調整に入ったと発表しました。
CMOS市場ではソニーが圧倒的なトップシェアを獲得しています。世界中のスマホがソニーの画像センサーを使うため、ソニーは生産能力の増強、設備投資を予定していました。東芝の同事業は1.9%程度のシェアしか持っていませんでしたから、売却してしまうのも頷けます。
一方で大分工場は、数千億円規模のものですから、今回の売却額の約200億円では正直もったいないと感じます。しかし、東芝の現状を考えると背に腹は代えられないところでしょう。
今後、さらに東芝が資金を必要とした場合、最後の拠り所になるのはおそらくフラッシュメモリー事業だと思います。
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先日、米ハードディスク駆動装置大手のウエスタン・デジタルが、米メモリーカード大手のサンディスクを買収すると発表しました。買収総額は約190億ドル(2兆2800億円)とのことでした。
フラッシュメモリー市場のシェアで見れば、サンディスクは末席です。東芝のフラッシュメモリーの事業規模から考えると、おそらく5兆円規模にはなると予想できます。
今は家電事業など、細かい整理を進めているようですが、最後の最後に行き着くのは、このフラッシュメモリー事業だと思います。
部品事業は未だに日本勢が強いが、コモディティ化した技術は中国へ
村田製作所やTDKなど電子部品大手6社の2015年7~9月期の受注総額は前年同期比14%増の約1兆4500億円と、四半期で過去最高となったとのことです。
中国経済が傾こうが、電子部品6社は伸びており、日本の部品に対する需要の高さが証明されています。スマホが高機能化し、それこそCMOSやフラッシュメモリーなど部品は未だに強い状況で日本勢が牽引していると言っても良いでしょう。
一方で、コモディティ化した商品では苦労しています。液晶テレビなどが代表例です。シャープは自分たちの技術だと自負しているようですが、技術が定番化してしまうと、一気に中国などに持って行かれてしまいます。
先日も、中国企業が薄型テレビやスマートフォンなどに搭載する液晶パネルの大幅な増産に乗り出すと発表がありました。京東方科技集団(BOE)など大手4社が中国国内7カ所に巨大工場を新設し、3年間の総投資額は3兆円という莫大な規模になるとのことです。
こうなってしまうと、シャープには売り物がなくなってしまいます。それでも製造機械は日本が作っているので、部品メーカーは問題ないでしょうが、液晶パネルそのものは中国にシフトしてしまう、というのが厳しい現実です。
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※この記事は10月25日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
今週はフラッシュメモリーや電子部品の話題をお届けしました。
コモディティ化してしまった液晶パネル。その製造は中国にシフトしつつあります。
テクノロジーの進化が激しい中で、ビジネスの勝ちパターンも変化していきます。かつての成功を自負するのではなく、次の新しい一手を考え、打ち出していくことが重要です。変化を読み解くための市場分析の視点が求められます。
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