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シスコ、アップル和解 「iフォン」訴訟
両社とも名称利用可能に
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●アップルが「iフォン」を始めた理由とは?
2月21日、「iフォン」の登録商標を侵害されたとして
米シスコシステムズがアップルを訴えていた問題で、
和解したと発表しました。
両社とも「iフォン」の名称を自社製品に自由に利用できる
ようになり、相互の製品に互換性を持たせることも
検討するという方向性とのことです。
両社が「iフォン」を使えるといっても、将来的には、
使い勝手やデザインで若者を魅了するアップル製品が
「iフォン」としての地位を確立するのは、ほぼ間違いない
でしょう。
シスコのジョン・チェンバース氏も、訴訟を起こしたはいいが、
相当バッシングを受けた上での方針転換だと思われます。
今や、アメリカにおいて、スティーブ・ジョブズ氏は
ある意味、神格化された存在になってきましたから、
致し方ないといったところでしょう。
さて、そのスティーブ・ジョブズ氏が、
今なぜ「iフォン」という分野に乗り出してきているのか?
この流れを見逃してはいけません。
スティーブ・ジョブズ氏が「iフォン」に進出する背景は、
日本でも着実に露呈してきています。
ネットレイティングス社の調査によると、家庭のPCによる
Web利用者の年齢別構成比は、00年4月から06年3月までの間に、
20歳代の利用割合が劇的に減少しています。
※「家庭のPCによるWEBアクセスの年齢構成比」
00/4 06/3
■19歳以下 : 17.3% → 20.9%
□20歳代 : 23.6% → 11.9%
■30歳代 : 27.0% → 24.0%
■40歳代 : 19.5% → 24.0%
■50歳代 : 8.9% → 11.8%
■60歳以上 : 3.8% → 7.4%
出所:データクロニクル2006・ファクトシート
(ネットレイティングス社)
この理由は、大きく2つ考えられると思います。
1つは、数年前まで、インターネットがまだ家庭に
普及していなかったので、利用者のほとんどが20代・30代で
あり、構成比としてみると、過去の数値が高すぎる数値だった
ということです。
もう1つは、世代が移行したことで、20代という世代の人たちの
性質が変わってきたからだと私は思います。
かつての20代→30代、30代→40代というような
移行としてみれば、現在も30代と40代で、全体の半数弱の
割合になっていますから、それほど大きなブレはないと
見ていいでしょう。
とすると、今の20代の人たちは、かつての10代の人たち
だということです。
この年代の人は、家に固定電話も引いていなければ、
パソコンも持っていないという人たちです。
電話機能もWeb機能も、携帯電話1つで対応する世代なのです。
おそらく、スティーブ・ジョブズ氏が「iフォン」で携帯業界へ
参入するのも、こういった背景を意識しているでしょう。
あのアップルでさえ、今後の若者はパソコンを使わない
かもしれないという予測をして動いているということです。
この業界は、これからまさに戦場のような激しい戦いに
なることは間違いないと思います。
以上