マイクロソフト 最終赤字386億円
米ヤフー マリッサ・メイヤー氏を新CEOに起用
米グーグル 純利益2190億円
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▼ マイクロソフトが、「初の赤字」を受け入れた本当の理由があるはず
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米マイクロソフトが19日発表した4~6月期決算は、最終損益が
4億9200万ドル(約386億円)の赤字となり、1986年の上場以来、
四半期ベースで初めて赤字となりました。
2007年に約63億ドルで買収したインターネット広告会社の「のれん代」を
減損処理したことが響いたということです。
なぜ5年前の買収に関わる「のれん代」を、今このタイミングで
一括減損処理する必要があるのか?
このニュースを見る限りでは、理解することができません。
マイクロソフトの業績推移を見ると、売上も鈍ってきていて利益は
大幅な赤字に転落していますが、今回の減損処理を除けば、
それほど悪い数字ではありません。
もしかすると、買収そのものが上手く機能しておらず、会計事務所から
一括精算をするよう指導された可能性はあるでしょう。
しかし私の経験から言えば、それでも「のれん代」を複数回に分けて
少しずつ計上することはできたはずです。
しかも、1986年の上場以来、四半期ベースで「初の赤字」になるという
のですから、普通に考えれば初めての赤字を避けようとするはずです。
そう考えてみると、おそらくこのニュースでは語られていない「何か」が
あるのでしょう。
今期、一括でのれん代を償却する理由となる「何か」についての
「情報」が欠けているのです。
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▼ 業績好調のグーグルにも、何か表に出ていない事態が起こっている
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米グーグルが19日発表した4~6月期決算は、純利益が前年同期比11%増の
27億8500万ドルでした。
買収効果で売上高が122億1400万ドルと同35%増加。
主力のネット広告も好調で、収益拡大に寄与したとのことです。
エリック・シュミット会長は12日、病気で休養しているラリー・ペイジ
最高経営責任者の症状は回復しつつあり、9日にはオフィスに姿を見せたと
明らかにしました。
私はこのニュース記事を読んで、先のマイクロソフトと同様、
まだ明かされていない何かがグーグルに起こっているのではないか?
と感じました。
エリック・シュミット会長は、ラリー・ペイジCEOが回復したと
発言していますが、グーグルの株主総会にラリー・ペイジCEOは
出席していません。
グーグルの業績は好調そのもので、売上も純利益も順調に伸びています。
しかし、何かしらの社内の軋轢があるのではないか?
それが情報として開示されていないのではないか?
と疑ってしまいます。
私がこのように感じるもう1つの理由は、グーグルの女性エンジニア、
マリッサ・メイヤー氏が、空席が続いていた米ヤフーの最高経営責任者に
就任するというニュースを知ったからです。
メイヤー氏はグーグルの創業期から同社を支えたエンジニアで、
創業者コンビやエリック・シュミット会長と並んで同社の顔ともいえる
存在でした。
R&Dのゲートキーパーと言われた人物で、世界中から寄せられる無数の
新サービスのアイディアについて、メイヤー氏が厳しい審査を
行っていました。
検索エンジンの技術を始め、Gmailなど100個以上の機能やサービスを
立ち上げたと言われています。
経営者・CEOとしては未知数ですが、研究開発の判断力は
ずば抜けたものがあるのは間違いないでしょう。
メイヤー氏は莫大な資産を持っていますから、今さら給料に惹かれて
ヤフーへ行くということはまず考えられません。
するとグーグル経営陣のトップで何か問題が起きているのではないか?
その結果、メイヤー氏にとって面白くない状況が生まれているのではないか?
そして、今のグーグルの延長線上には「チャレンジ」がないと
判断したからではないか?と私は推測しています。
今回のマイクロソフト、グーグル、ヤフーのようなニュースを読んだ時、
そのまま鵜呑みにするのではなく、論理的に考えることで
「出揃っていない情報があるはず」ということに気づけるように
普段から訓練してみて欲しいと思います。