米大統領選 米共和党候補はロムニー氏
ギリシャ総選挙 総選挙を5月6日に実施
スペイン財政 約1兆円の歳出削減策
ユーロ圏失業率 2月のユーロ圏失業率 10.8%
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▼今のままでは、ロムニー氏はオバマ大統領に勝てないだろう
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米大統領選の共和党候補指名争いは10日、獲得代議員数で2位のサントラム
元上院議員が選挙戦からの撤退を表明しました。
これにより獲得代議員数で首位のロムニー前マサチューセッツ州知事の
候補指名が確実となりました。
サントラム氏の撤退宣言は、何とも寂しい宣言だったと感じました。
「今日で活動を終わりにする」ということを述べただけで、撤退する理由も
語っていませんでした。
また、普通なら
「自分は撤退するけれど共和党を、ロムニー氏をバックアップする」
というような発言があるはずですが、それすらありませんでした。
よほどロムニー氏とのネガティブキャンペーンによる
傷が深かったのでしょう。
共和党の候補者がロムニー氏になるとして、今後、経済が急激に傾くと
いった状況になれば期待は大きくなるかも知れませんが、今の情勢を
見ているとオバマ大統領に勝てる見込みは薄いと思います。
今のところ、ロムニー氏とサントラム氏でお互いに傷つけあってしまい、
共和党自体が勢いを失っていると言わざるをえないでしょう。
またロムニー氏は海外で保有しているといわれる200億円以上の資産の
節税対策について、米国に資産を置いていた場合の10分の1しか税金を
納めていないと言われています。
もちろん、違法ではないので法律上は問題ないのでしょうが、
国民感情としてはマイナスに働いてしまうのは否めないと思います。
ロムニー氏は優秀ですから、米国の経済基盤を固めていくという意味では
成功する可能性はあると思います。
オバマ大統領が継続しても、おそらく何も変わらないでしょう。
世界に対する米国の地位も経済も、4年後もほとんど変わらない
状況になると思います。
ロムニー氏とオバマ大統領のいずれを選択するのか、なかなか難しい
問題です。米国にとって非常に重要な議論になると思います。
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▼特に、若年層の失業率が高いという事実
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欧州連合(EU)統計局が2日発表した2月のユーロ圏の失業率は10.8%と
なり、前月に比べて0.1ポイント上昇しました。
1999年の単一通貨ユーロ導入以来の最悪水準をさらに更新しています。
欧州経済の状況を見た時、特に心配してしまうのは、
やはりギリシャとスペインです。
ギリシャのパプリアス大統領は11日、パパディモス首相と会談、
国会を解散し5月6日に総選挙を実施する大統領令に署名し、テレビ演説で
「今回の選択は単に次の政府だけではなく、
今後数十年のギリシャの命運を決めることになる」
と国民に慎重な投票を呼び掛けたとのことです。
もしこの選挙の結果、現状是認となったら、ドイツはギリシャの救済から
手を引く可能性もあると思います。
そうすると、再びギリシャ発の欧州経済の危機が訪れるかも知れません。
一方スペインのラホイ首相は緊縮財政策を公表し、教育や医療分野で
100億ユーロ(約1兆円)の歳出削減を打ち出しています。
スペインはギリシャやポルトガルのようにはならないと
主張しているようです。
しかし、失業率の観点から見ると厳しい道だと言わざるをえないでしょう。
スペインの失業率は、ユーロ圏平均の約10%をはるかに上回り、
20%を超えています。
ポルトガルでさえ、約15%ですから全体的に見ると群を抜いて高い水準です。
逆に、欧州の中でドイツは失業率が低下しており、人手が足りないという
状況になっています。
4月16日号のTIME誌に「The Jobless Generation」という記事が
掲載されていました。
スペインの街頭デモの様子を伝え、若年層が仕事を求めている様子が
訴えられていました。
全体の失業率と若年層の失業率を示したグラフが掲載されていましたが、
それによるとスペインの失業率は全体で約20%ですが、若年層のそれは
約51%にまで達しています。
イタリアでも全体が10%弱に対し、若年層が31%となっています。
その他、スウェーデンや英国も若年層の失業率が高い水準になっています。
ドイツは全体が5.7%で若年層も7.8%とほとんど変わらない数値で、両方共に
10%以内に収まっています。非常に優秀な結果だと言えると思います。
日本の失業率は全体が4.5%、若年層が8.5%ですから、ドイツと同様に
どちらも10%以内に収まっています。
しかし、日本と欧州では統計の方法が異なるので、必ずしもこの数値を
鵜呑みにはできません。
日本では仕事を探す活動をしていない人は完全失業者として
カウントしないので一概に比較できないからです。
実際、他の国と同じような方法で測り直したらどうなるでしょうか?
私は若年層の失業率は他の先進国並みになる可能性も
あるのではないかと思っています。
このような状況について、事実を正確に把握し、日本としても
対策を練って欲しいところです。