原発再稼働問題
原発再稼働へ意欲 野田首相
電機周波数問題
電力設備交換で約10兆円
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▼米国もロシアも、原発事故後も既存の原発を止めてはいない
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野田首相は3日、米CNNや外国メディア18社とのインタビューで、
定期検査で停止中の原子力発電所について、今夏の電力需給の安定に
向けて「稼働できるものは稼働していく」と語りました。
「政府を挙げて地元の理解を得られるように全力を尽くす」とも述べ、
再稼働は地元の理解を前提とする従来方針も改めて強調したとのことです。
野田首相の発言にある「稼働できるものを稼動していく」というスタンスは、
スリーマイル原発事故後の米国の対応、あるいはチェルノブイリ原発事故後
のロシアの対応と基本的に同じスタンスです。
いずれの場合にも原発事故後、新しい原発を作ることは止めましたが、
日本のようにパニックに陥って稼動しているものまで全て停止する
ということには至っていません。日本は自分で自分をいじめ過ぎている
部分があると感じます。
その結果として電力不足が予想されます。
現在でも、例えば原発への依存割合が大きい関西電力などでは電力の
供給がひっ迫しており、夏には相当に厳しい状況になると思われます。
去年と同様、「暗い夏」「計画停電」といった事態に陥ってしまうでしょう。
基本的に電力会社は稼働率として常に5%程度の余裕がないと危ない状況に
なります。もう少し余裕を持つなら10%は欲しいところです。
産業が伸び盛りで外資系企業を呼び込んで盛り上げていこうというのなら、
20%の余裕を見ておくべきだと思います。
なぜ5%の余裕では危ない状況になるのか?
というと、大きな火力発電所1基で約5%の電力を供給しているからです。
つまり、その火力発電所が1つ落ちたら、それだけでブラックアウトして
しまう事態になるのです。これはリスクが高いと言わざるを得ません。
今月柏崎刈羽原発の6号機が停止し、北海道の泊原発3号機が5月の
定期検査後停止になると、それで日本の全ての原子炉が停止することに
なります。
これは相当厳しい状況です。特に西日本です。
現在は東日本と西日本で電力をお互いに自由に融通できない状況ですから、
西日本が電力不足をどう解消するのかというのは、非常に大きな課題です。
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▼東西の電力供給を自由にできるように
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経済産業省は6日、東西日本で異なる電気の周波数を統一した場合、
電力会社の設備交換だけで約10兆円のコストがかかるとの試算を
まとめました。
また電気事業連合会は7日、送電時の周波数が異なる東日本、
西日本間の電力融通能力をほぼ倍増させるには、1300億~3500億円程度の
工費が必要との試算を初めて公表しました。
実施する場合、電気料金などに上乗せする形で利用者の負担となるとの
ことです。
なぜ同じ周波数にする必要があるのか?私には理解できません。
欧州では国別に周波数は違えども、ハイボルテージDCを通してお互いに
融通できるようになっています。
例えばフランスの原子力発電所で発電された電力は、イタリアなどに
相当量が輸出されています。
日本では静岡県の富士川と新潟県の糸魚川付近を境にして、東側は50Hz、
西側は60Hzの電気が送られています。
ここにあるコンバーターを倍増するための資金が1300億円という試算だと
思いますが、私が提言しているのはこの東西グリッドを拡大し、1000万kwh
くらい送電を可能にするということです。
これを実現すれば、東西の電力供給を完全に自由化することが可能です。
欧州で実際にこのような機械を作っている会社の概算の見積もりによると、
約1兆円で実現できる可能性もあります。
このような準備が完成すると、将来的にはロシアのサハリンで発電された
電力を、直流・高圧で日本に輸入するということも出来てしまいます。
この時の運営体制としては、高圧送電網の経営は「国」もしくは「公営会社」
が行い、3300ボルト以下の配電はこれまで通り地域独占の電力会社が担当
します。そして、発電に関しては完全に自由化するべきだと私は思います。
結果としてこれが国民の立場から見てももっとも安く、かつ全国に電力を
供給できるという点でも優れていると思います。
1年前の事故直後から、私はこの提案をしているのですが、なぜか民主党は
正しく理解してくれません。
今一度、このスキームをきちんと検討してもらいたいと思います。