外国人入国者数
2010年の入国者数 944万3671人
外国人留学生
約9割が「就活厳しい」
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▼昨年の外国人入国者数は「過去最高」ではなく、
「失速の結果」に過ぎない
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法務省が14日にまとめた統計によると、2010年に日本を訪れた外国人
の入国者数は944万3671人と、前年に比べ186万2341人(24.6%)の
大幅増になりました。
アジア地域の景気回復のほか、中国人の個人観光ビザ発給要件の
緩和などが要因とみられています。
このニュースは外国人の日本への入国者数が「前年に比べて増加」と
捉えるべきではないと私は思います。
日本への外国人入国者数の推移を見ると、2007年に約900万人に
達したものの翌2008年は殆ど横ばいで、2009年はリーマン・ショック
の影響もあり大きく落ち込みました。そして2010年には回復したものの
1000万人には届いていません。
※「外国人入国者数の推移」
→
日本の近隣諸国には経済的に調子の良い新興国が多いので、
2007年までの伸びを持続、さらに加速できていたなら、
日本に訪れる人は現時点で1000万人を超えて然るべきだと
私は思っています。
2010年に1000万人を超えられなかったのは、尖閣諸島問題の影響で
中国人観光客の数が激減した影響も大きいでしょう。
今後、春節によって来日する中国人観光客の数は回復する可能性も
あるかもしれませんが、今のところ中国の関心は日本以外に向きつつ
あると私は感じています。
総じて言えば、外国人の日本への入国者数を「過去最高」と見るので
はなく、本来なら1500万人~2000万人を目指せたはずが、日本ブーム
に火がつかずに「失速した結果」だと受け止めるべきだと思います。
では今後、日本が1500万人~2000万人の観光客を呼び込める可能性
が残されているかといえば、私は厳しいと見ています。というのは、
日本には観光客を呼べる「素材」がないからです。
例えばスキーブームなどと言っている人もいますが、世界のスキー場
に比べると日本のそれは率直に言って「貧相」だと言わざるを得ません。
また古きよき日本文化を求める外国人は多いのですが、日本は積極的
に古い文化を壊してきてしまったため、残されているものは非常に
少なくなっています。
年間約4000万人の観光客を呼び込んでいるイタリアなどはどこに
行っても観光地として成立していますが、それに比べると日本の
「素材」では太刀打ちできないのは明白です。
素材が悪ければリピートしてくれる可能性も低くなるでしょう。取り
敢えず日本に1度訪れてみたという中国人観光客でも、2度・3度と
日本に行きたいと思う人は非常に稀だと私は思います。この「素材」
の悪さは致命的であり非常に深刻な問題です。
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▼ 外国人留学生が就職に苦労するとは、驚きだ
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就職情報のディスコが先月まとめた調査によると、日本企業への勤務
を検討する外国人留学生のうち89%が2011年の就職活動の見通しを
「厳しい」と回答しました。企業の中には海外進出を見据えて外国人
留学生を積極的に採用する動きも出てきていますが、留学生の立場と
してはまだ楽観できる状況にはないようです。
※「留学生・日本人学生が就職先企業を選ぶ際に重視する点」
→
この結果には正直、驚きました。日本企業はもっと積極的に外国人
留学生の採用に動いていると思っていましたが、私が想像するほどには
企業が外国人留学生にまで辿りつけていないということでしょうか。
就職先企業を選ぶ際に重視する点に対する回答を見ると、日本人が
「職場の雰囲気」「仕事内容が魅力的かどうか」を重視するのに対して、
外国人留学生は「将来性」「働きがいがある」ことに重点を置いています。
日本人に比べると、とことん働く姿勢というものが伺えると思います。
また外国人留学生は語学が堪能です。少なくとも母国語と日本語と
いう2か国語、アジア圏で香港・シンガポール以外の出身ならば、
母国語・英語・日本語と3ヶ国語に通じている人も多いはずです。
アジアの留学生のトレンドは、米国・英国・オーストラリアですから、
日本への留学生というのはリスクテイカーとしての素養が高い人で
しょう。私はこうした留学生をもっと日本企業が活用するはずだと
思っていました。
産業能率大学が昨年発表したアンケート調査では、海外で「働きたく
ない」と答えた新人は49%で、2007年調査での36%から大幅に増え、
内向き志向を強める若者の実態が浮かび上がったとのことでした。
日本の若者が海外に行くことを拒むなら、外国人留学生は代役として
うってつけでしょう。また、外国人留学生は、内向き志向を強める
日本の若者に対して「意欲的な外国人留学生と競争しなければならない」
という危機感を与えることで、日本人学生への刺激になると私は思い
ます。
引く手あまたかと思われる外国人留学生でも就職について厳しい認識
をもっているとは、本当に驚きました。