日印関係
EPAで正式合意
日越関係
原発2基建設を受注
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▼ 日本はインド進出に大きく出遅れている
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菅首相は25日、インドのシン首相と首相官邸で会談し、経済連携協定
(EPA)の締結で合意しました。
また、経済や安全保障など広範囲な分野で連携する「戦略的グローバル・
パートナーシップ」を強化する方針でも一致。両国の閣僚による
「経済対話」を設置し、政府間のハイレベル交流を進めることも
申し合わせました。
インドは元々民主主義国家ですし、日本との関係性には心のわだかまり
がありません。ゆえに、これから一気に関係性が強化される可能性も
あるでしょう。
インド経済の特徴としては、例えば中国の製造業のように、極端に強い
業界がないという点にあります。
だから、今回インドとの間に経済連携協定(EPA)を締結しても、「実害」
は少ないはずだと日本側は判断していると思います。
ただ、ソフトウェアやメディカルの領域で自由化が進むと、日本にとって
も無視できない影響が出てくる可能性はあると私は見ています。
インドの主な輸出入品を見ると、輸出では「宝石・宝飾品」が1位に
なっています。
※「インドの主な輸出入品」
これは国内で作った「宝石・宝飾品」をUAEなど中東向けに輸出して
いる結果です。ドバイやアブダビでは、アラブのお金持ちがインドで
作られた宝飾品を大量に買い付け、それを自宅に飾っています。
一方、輸入は「原油・石油製品」、宝飾品を作るための「金、銀」、
「電子機器」が多くなっていて、輸入相手国は中国が1位、UAEが2位
となっています。
※「インドの主な貿易相手国と貿易額 」
日本は輸入相手国・輸出相手国として、どちらも11位になっていて、
インドとの関係において「出遅れている」と言わざるを得ないでしょう。
輸入相手国としては、韓国(10位)にさえ今の日本は及びません。韓国
は、インドに対して積極的に自動車や電子製品を輸出していますが、
日本勢では唯一スズキだけが80年代からインドで現地生産を始める
など先行しているに留まっています。
日本のインド進出については、まだまだこれからといった状況ですが、
今後の可能性については注目すべきでしょう。
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▼ ベトナムの原発開発は、首相同士だけで決まる問題ではない
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菅首相とベトナムのグエン・タン・ズン首相は31日、ベトナム南東部
で計画されている原子力発電所の建設について、日本が請け負うことで
合意しました。
原発を初めて導入する新興国で日本が建設を受注するのは初めてです。
また両首相は、中国から輸出制限を受けているレアアースについても
共同開発することで合意しました。
日本とベトナムの関係が一気に強化されたような印象を受ける人もいる
かも知れませんが、まだ現段階では「決定的」ではないと私は思います。
ベトナムはロシアから2基の原発の輸入をすでに決定していて、日本が
原発を輸入する初めての国というわけではありません。
また今回の原発の発注にしても、ズン首相は戦略的なパートナーシップ
関係の構築のため、日本から原発を購入すると述べていますが、最終的
な値段は未決定という状況です。
最終的な値段がいくらになるのか、日本から何を輸出できるのか、現地
生産比率をどのくらいに定めるのか等、決めるべき事項は未だ沢山
残されています。
色々と条件を加えられた挙句、交渉がご破算になる可能性もないとは
限りません。
また菅首相は、ラックフェン港建設をはじめとする5案件に対し約790億円
の円借款供与を表明しています。この円借款について、私は一つ懸念を
持っています。
それは今後の日本経済の行方次第では円がハイパーインフレを起こす
可能性があるということです。
その事を踏まえるとリスクをヘッジする意味で、私としてはユーロと
同じようなアジアの通貨バスケットを作ってはどうかと思います。
もしハイパーインフレが起きてしまったら、「円」で返済されても意味は
ありません。
円借款は「円建て」になることが一般的ですが、これを契機にベトナム
通貨も含めてアジアの通貨バスケットを検討する価値は大いにあると
思っています。