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米株式市場
12年ぶり7000ドル割れ
ダウ平均株価
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●日本は縮こまることなく、新しい体制でチャレンジせよ
2日の米株式相場はAIGの巨額赤字発表を受けて急落。ダウ平
均株価は12年ぶりに7000ドルを下回って取引を終了しました。
また米国のメディアがまとめたところによると、ダウ平均株価
とS&P指数の年明け2ヶ月の下落率が20%となり、過去最大
を記録したことが分かりました。
※『ダウ工業株平均の推移』チャートをみる
先月の下落幅は過去に例がないほどで、ついにダウ平均株価は
6000ドル台に突入したという状況です。
ダウ工業株平均の推移を見ても、まるでつるべ落としのごとく
下降線を辿っていて、6000ドルさえキープできるのか分からな
いと私は見ています。
12年ぶりにダウ平均が7000ドルを割り込んだとのことですが、
振り返ってみると12年前というとクリントン政権の1期目の
終わり~2期目の始めにあたります。
クリントン政権は、政権発足時に3000ドル台で引き継いだ株
価を12000ドル近くまで引き上げることに成功し、第二次世界
大戦後としては2番目に長い好景気をもたらしました。
クリントン政権の第2期の始まりと同じ状況だと思えば、それ
ほど悪くないと言えるかも知れません。
2期目のクリントン政権では、株価を倍額に近い水準まで引き
上げ、財政赤字も解消しました。今米国ではオバマ大統領の下、
新しい動きが感じられます。
オバマ大統領が提案するアイディア自体は失望してしまうもの
もありますが、次へと向かうエネルギーが感じられるのは確か
です。
その点、体制も古いままで政局も混乱を極めているという日本
に比べると好材料だと言えると思います。
また別の観点から、米国経済の明るい材料となるデータがあり
ました。
2009年3月2日号のBusinessWeek誌によると、金融危機に見
舞われて大損害を被っている米国経済ですが、いわゆる金融機
関を除いた部分だけで見ると、株価はほぼ1年前の水準と変わ
らないというのです。
そして、実は収益ベースで見ると去年も今年もプラスの企業が
多くなっているとのことです。
そして世界を見渡してみても、実は日本以外では企業の収益力
が大きくマイナスに転じているところは殆どありません。
日本だけが企業の収益がマイナス50%を超えて、ガタガタになって
いるという状況です。
これは日本という国が不景気に慣れていて、「景気が悪い」と
聞くと兎にも角にも素早く身を縮めてしまうからだと思います。
米オバマ大統領が現在の低水準の株価をして、「買い時」と
言ったという報道がありました。
もちろんオバマ大統領は金融のプロではありませんから、何ら
根拠があるわけではないと思いますが、実際、金融のプロは今の
ような時期に株や不動産を仕掛けることが多々あります。
おそらく今もプロの人たちは虎視眈々と不動産や株を買う準備
を進めていると思います。
今、金や原油など国際商品市場に投資マネーがじわり再流入し
ています。
資金流入の目安になる未決済残高が貴金属で急増、原油も昨秋
るのです。
もちろんこれだけで判断はできませんが、お金が市場に戻りつ
つある兆候だと私は感じています。
翻って日本の株式市場を見ると、PBR(株価純資産倍率)が1
を下回る企業がたくさんあるという異常な状況です。
もし株価が企業の将来価値だとすれば、日本企業の将来は絶望
的だということになりますが、私はそうは思いません。
日本企業の中には世界的な競争力も増していて、景気が回復す
れば同時に好転する企業も多いでしょう。
そのような日本企業の株を「今が買い時だ」というタイミング
が近い将来訪れると私は思います。
日本という国は、景気が悪いとなると、盲目的にこぞって身を
縮めてしまう癖がついてしまいました。
感情に流されずに、企業の価値を客観的に見極められる目と、
判断する思考力を身につけてもらいたいと思っています。