大前研一「ニュースの視点」Blog

KON685「岐阜県高山市/地方創生/米シアーズ/米アマゾン・ドット・コム/中国IT企業 ~アマゾンとの提携はシアーズの生き残る道]

2017年8月4日 中国IT企業 地方創生 岐阜県高山市 米アマゾン・ドット・コム 米シアーズ

本文の内容
  • 岐阜県高山市 岐阜県高山市でホテル建設相次ぐ
  • 地方創生 2016年度の移住相談 21万3000件
  • 米シアーズ アマゾンに白物家電販売を委託
  • 米アマゾン・ドット・コム アマゾン株終値1053ドル
  • 中国IT企業 中国が超速で「IT先進国」に変貌している理由

飛騨高山は宿泊施設を充実させよ


日経新聞は先月21日、「岐阜県高山市でホテル建設相次ぐ」と題する記事を掲載しました。高山グリーンホテルが敷地内に新館を建てる他、森トラストもJR高山駅近くに4700平方メートルのホテル用地を取得しました。高山市は飛騨地域への観光の拠点となっているほか、春と秋の高山祭などの時期には宿泊予約が取りにくくなっており、新たなホテルの建設で訪日客の取り込みを図る考えです。

高山市は外国人に人気のある観光地で、訪れる観光客の10人に1人は外国人になっています。私も過去に訪れたことがあります。観光客の数が多い割に宿泊施設はお粗末なものが多く、今回新しいホテルが建設されるのは良い機会だと思います。白川郷等に行くにも起点となる立地で、今後も観光地として期待したいところです。


引退後の移住先を選ぶポイントは?


総務省がまとめた2016年度の移住相談件数は、前年度比51%増の21万3000件でした。相談件数1位の自治体は長野県で、北陸新幹線で首都圏まで1時間30分程度というアクセスの良さが人気だったとのことです。

この結果は私にとって、意外でした。都心に人口集中が起こっている反面、引退後は田舎に住みたいという人が多いのは知っていましたが、私のイメージでは「暖かい場所」のほうが人気になると思っていました。例えば、和歌山県、静岡県、あるいは伊豆半島などです。

ところが、移住相談件数1位は長野県で、次いで、新潟県、北海道、富山県、石川県と寒い地域ばかりが続きます。北海道はともかくとして、おそらく「交通の便」が良い地域が優先されているのだと思います。

都心で引退した人にとっては、交通の便が良いことは重要な要素なのでしょう。長野県(上田市など)や新潟県(越後湯沢など)は、東京から1時間半もあれば着いてしまいます。一方で、和歌山県、伊豆半島、あるいは四国なども暖かい土地ですが、
東京からの交通の便がよくないのが選ばれにくい原因でしょう。


アマゾンとの提携はシアーズの生き残る道/アマゾンが独禁法を適用されない理由


米小売り大手シアーズ・ホールディングスは先月20日、自社ブランドの白物家電「ケンモア」製品をネット通販最大手アマゾン・ドット・コムで販売すると発表しました。ケンモアはシアーズの自社ブランドの中でも人気が高く、冷蔵庫、エアコンなどが売れ筋商品になっています。

白物家電の一流ブランドであるシアーズが、アマゾンの軍門に下ったという見方もできるでしょう。

シアーズの業績を見ると、売上高は右肩下がりで、損失を計上する状況に追い込まれています。

背に腹は代えられない状況というところでしょうが、悲観的になり過ぎる必要もないかも知れません。GEは昨年家電事業を中国のハイアールに売却しています。このアマゾンとの提携で、シアーズの白物家電が復活するなら、それは1つの生き残る方法だと思います。

提携する側のアマゾン・ドット・コムは非常に好調です。米アマゾン・ドット・コムの株価は、先月26日の終値で1053ドルになり、時価総額が初めて5000億ドルを超えたとのことです。アップル、アルファベット、マイクロソフト、フェイスブックに次いで、世界のビッグ5に名を連ねています。創業者のジェフ・ベゾス氏は、一時ビル・ゲイツ氏を抜いて世界一の大富豪になりました。

アマゾンの強さは米経済に大きく貢献する一方で、独占禁止法の適用が必要なのでは?と言われるほどになっています。ところが、かつてのように独禁法を適用するのは今の時代にはなじまない、という議論が出てきています。

かつては「モノ」を提供していたため、独占後に値段を上げていく、という手法を取ることができましたが、現代のサイバー時代は事情が違います。今アマゾンがいくら強いと言っても、巨大な競合企業が登場することも考えられます。例えば、中国企業が台頭してくることもあり得るでしょう。そうなると、アマゾンであっても、ひっくり返る可能性があります。

それゆえ、独禁法を適用して分割する、という従来の方法が今の時代には、なじまないのではないかと議論されています。


フィンテックでも台頭する中国IT企業


東洋経済オンラインは先月21日、「中国が超速で「IT先進国」に変貌している理由」と題する記事を掲載しました。この半年ほどの間に中国のIT企業から、極めて独創的かつ先進的なビジネスが登場しており、今や中国はIT分野においては米国に次ぐイノベーションの発信地という地位を確立しつつあります。

WeChatペイなどを含め、フィンテックでも強さを発揮しているのが特徴でしょう。アリババグループのジャック・マー氏は、今後はすべての小売りがインターネットと結合する「新リテール」の形態が生まれてくると予言しています。



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※この記事は7月30日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています




今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?



今週は、アマゾンの話題を中心にお届けいたしました。

損失を計上する状況に追い込まれているシアーズ。

これに対して大前は、アマゾンとの提携で、
シアーズの白物家電が復活するなら、
それは1つの生き残る方法だと言及しています。

今回のシアーズの例のように、
グローバル化、競争激化、技術革新のスピードが上がり、
企業が自社の経営資源のみで成長を目指すことが
難しくなっていることから、戦略的提携が加速しています。

連携や提携で補完的な機能分担や価値提供を行うことで、
高い競争力を獲得し、競合に対する持続的な優位を
確保することができます。


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