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KON683「 世界金融市場/アルゼンチン情勢/清水港/名古屋再開発 ~世界的な金余り。アルゼンチンの100年債にお金が集まる理由」

2017年7月21日 アルゼンチン情勢 世界金融市場 名古屋再開発 清水港

本文の内容
  • 世界金融市場 1900兆円が玉突き「安全資産」バブル崩壊の足音
  • アルゼンチン情勢 満期100年の超長期債発行
  • 清水港 清水、クルーズ船寄港急増
  • 名古屋再開発 「貸オフィス」オープン相次ぐ

世界的な金余り。アルゼンチンの100年債にお金が集まる理由


日経新聞は10日、『1900兆円が玉突き「安全資産」バブル崩壊の足音』と題する記事を掲載しました。わずかな利回りを求めて債券や株式に殺到していた年金などの投資マネーがざわついています。欧米の景気拡大を受け、FRBやECBが金融緩和縮小を示唆していることが背景にあるとし、これまで安全資産として買われていた銘柄からの資金流出が本格化する世界的な官製バブル崩壊の足音が近づいているとしています。

人気株になればなるほど買われます。なぜこの株を買うのか?なぜこの通過を買うのか?説明できないことが多く、ほとんどの場合、「みんなが行く道と同じ道」を歩むというだけです。

世界的な金余りの状況が続いており、アルゼンチン政府が償還までの期限が100年に及ぶ「超長期債」を発行して話題になっています。発行額は30億ドル(約3400億円)で、利回りは約7.9%です。アルゼンチンは200年前の建国以来、これまでに8回債務不履行に陥っていますが、世界的な低金利という運用難を背景に投資家から3倍超の申し込みがあったとのことです。

これも狐につままれたような状況です。歴史的に見れば、100年前のアルゼンチンは世界有数の経済大国でしたから、100年後に期待できなくはありません。しかし現在の格付けで見れば「B」で、カンボジア、キプロス、ベトナムと同じレベルです。そのアルゼンチンの100年債に3倍の申込みがくるというのは、怖いもの見たさ、あるいは100年間あれば何かあるかも知れないという期待でしょうか。償還能力があるのか説明不能ですが、それでもお金が集まるというのは、世界的な金余りの状況をよく表していると思います。


清水港の果たす役割は大きい


日経新聞は11日、「清水、クルーズ船寄港急増」と題する記事を掲載しました。静岡県清水港へのクルーズ船寄港は今年44回を予定し、前年の3倍に達する見通し。富士山だけでなく食や農産物といった大都市にはない魅力を打ち出すとして、クルーズ船各社は寄港を増やす計画です。港や周辺施設の受け入れ体制は準備不足が目立っており、外国人を引き付ける地元の観光資源開拓が喫緊の課題としています。

今回清水港にクルーズ船を送ってくるのが、ゲンティン・グループ(マレーシア)のグループ企業でアジア最大のクルーズ会社ゲンティン香港。ゲンティン・グループは、マレーシアやシンガポールのセントーサ島でカジノを運営しています。ゲンティン香港は日本政府が出入国管理をやってくれるなら、清水港を母港化するという姿勢まで見せています。それほど日本へクルーズ船を派遣するのは定着化してきています。

港湾別のクルーズ船の寄港回数を見ると、圧倒的に博多。次いで、長崎や横浜など。清水は2016年にはたった16回だったのが今年は44回を予定しています。ゲンティン香港が本腰を入れてくれるとなると、静岡県にとっては相当ありがたい話です。静岡県知事は、一泊してくれた場合の優遇措置も検討しているそうですが、確かに大きな効果があるでしょう。一泊すれば、富士山、伊豆半島、熱海などを見て回ることができます。そういう意味でも、清水港の役割は大きなものになっています。


名古屋は事務所不足が顕著


日経新聞は12日、『名古屋、「貸しオフィス」オープン相次ぐ』と題する記事を掲載しました。中部でビジネス拡大を目指す外資系企業やベンチャー企業が、少人数や短期に利用できる手軽さから貸しオフィスを機動的に活用しています。2027年のリニア中央新幹線開業などを控え、JRゲートタワーなど名古屋駅前に複合高層ビルがほぼ満室の状況です。貸しオフィスが普及すれば企業規模の限られる新規参入企業などを呼び込む効果も期待できるとしています。

名古屋の空室率は6%を割り込んで5%に達する勢いを見せています。場所によっては空室がありますが、特に名古屋駅周辺はオフィス不足が目立ちます。トヨタなどが保有するビルは家賃が高いので、まずは貸オフィスでやってみるという流れは当然とも言えるでしょう。家族を東京においたまま、1.5時間で通勤すると考えれば、名古屋駅周辺のオフィスなら十分可能です。

名古屋はプロジェクトで一時的に滞在する人が多く、ITビジネスのスタートアップを狙うというのは少し違うかも知れません。いずれにせよ、名古屋でオフィス・事務所は不足しています。



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※この記事は7月16日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています




今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?



今週は、世界金融市場の話題を中心にお届けいたしました。

アルゼンチンの超長期債のお申し込み状況からも
世界的な金余りな状況となっています。

しかし、大切なことは、今ある資金を運用するだけでなく
一人一人が「稼ぐ力」を身につけることです。

インターネットの普及とそれに続くデジタル化や
グローバル化、AIの登場などが進む今、
従来までの仕事では利益が出なくなり、
「仕事がなくなる」時代へと移り変わりつつあります。

従来の仕事がなくなるならば、それに代わって
これから必要とされる仕事を見いだし、自分で仕事を創っていく。

そういう発想こそが、求められています。


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