- 本文の内容
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- ホンダ 中大型バイク専売店を倍増へ
- 三菱重工業 船舶用エンジン事業を神戸発動機と統合へ
- ソフトバンク 連結純利益7662億円
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ホンダは中大型バイクの販売にテコ入れをしても、収益改善は難しい
ホンダは排気量250cc以上の中大型バイクの販売をテコ入れする方針を明らかにしました。
ホンダ車だけを扱う専売店を約2倍に増やし、競争力を高める狙い。
中大型車は利益率が高いうえ、国内の二輪車販売が減る中で落ち込み幅が少なく、販売競争の主戦場となっているとし、魅力的な拠点を設けて愛好者を取り込み、収益改善を図るとのことです。
私はバイク専売店を増やしても、販売のテコ入れにはならないと思います。
私もバイク乗りですが、バイクを買うときは各種メーカーのバイクを取り扱っている店舗に行きます。そこで古いバイクを下取りしてもらい、新しいバイクを購入します。
バイクの下取りにあたっては、機械を通じて30分ほどで正確な下取り価格を提示してもらえます。日本、海外すべてのあらゆるメーカーのデータが網羅されていますから、納得感も自然と高くなります。
ホンダの販売店からの要望もあるのかも知れませんが、少なくとも私のような世代のバイク乗りのニーズは完全に読み間違っていると思います。
輸入二輪車の登録状況を見ると、ハーレーダビッドソンが多く、街中ではBMWやドゥカティ、KTMもよく見かけるようになりました。中高年が求めているのは、ホンダの1000ccバイクではありません。
小型バイクが売れないので、利益率がいいという理由で中大型バイクへシフトするというのは、短絡的であり大きな誤解に基づいた判断だと思います。
二輪車の国内出荷台数は激減しており、中大型は利益率が高いとは言え、出荷台数は少ないのです。
ホンダ専売店による中大型バイクの販売促進が、大きな成果を生むとは考えにくいでしょう。
船舶エンジン事業のKFSは?造船世界一の三菱重工業でも勝てない理由
三菱重工業は10日、船舶用ディーゼルエンジン事業を神戸発動機と統合すると発表しました。
子会社が手掛けるエンジン事業を神戸発動機に集約する方向で、新しい造船の需要が世界的に急減している中、船舶用エンジンの開発製造まで手掛ける体制を整え、競争力を高める考えです。
正直、「手遅れ」だと思います。ドイツのMAN Diesel & Turbや、スルザーというスイスの機械メーカーがあります。
両者会社が船舶用ディーゼルエンジンにおいて高い世界シェアを持っており、三菱重工業のシェアは無視できるほど小さく、はっきり言って相手になりません。
この事業のKFSは何か?というと、世界中の主要港の近くに「部品」「修理工場」を配置することです。
船が各港に着いたときに、壊れた部分をすぐに修理できることが非常に重要だからです。
残念ながら、三菱重工業には世界的な修理ネットワークがありません。
かなりローカルな船しか三菱重工業のエンジンを採用してくれません。
すでに世界的な修理ネットワークを構築しているライバルに対抗する術はなく、すでに勝負がついているのです。
日本の船だから、必ずしも三菱のエンジンを使うわけではないのです。
統合しようがしまいが、この事業は世界化できなければ「負け」です。
世界化のポイントを抑え、修理ネットワークを構築したことが雌雄を決めたのです。
いかに三菱重工業が世界一の造船メーカーであっても、どうしようもないでしょう。
ソフトバンクの新シナリオ「テクノロジー分野のバークシャー・ハザウェイ」とは?
ソフトバンクグループが7日発表した2016年4~9月期の連結業績は、純利益が7662億円と前年同期比で80%増えました。
国内通信事業で通信収入が伸びたほか、米携帯子会社スプリントも携帯電話契約数が増え、損益が改善しました。
孫正義社長はサウジアラビア政府系ファンドと立ち上げる投資ファンドを引き合いに出しながら「テクノロジー業界のバークシャー・ハザウェイを目指す」と述べたとのことですが、これは面白い方向性だと思います。
バークシャー・ハザウェイは、コカ・コーラや鉄道事業など、旧態然とした業界や成熟した業界に「旨味」があるという考え方で投資をしています。それがウォーレン・バフェット氏の戦略です。
これに対して、孫正義社長は「テクノロジー分野」のバークシャー・ハザウェイになると言ったのです。
これまでのように事業オペレーションを中心とするのではなく、21世紀を担っていく企業に狙いを定めつつ、バークシャー・ハザウェイのように投資の利益を上げていく企業にしていくということです。
その投資資金の捻出のためには、今後は湾岸系の金持ちファンドとも手を組んでいくということでしょう。
これまでもソフトバンクは投資で大きな利益を上げてきました。
ただ、アリババ株の売却など運が良かったと言われている側面もあります。
いつまで幸運が続くのか?とも言われていますが、そう言われて久しいのも事実です。
株式市場としては、孫正義社長が示したこの新しいシナリオに沿っている限りは、長期的に見てくれるのではないかと思います。
孫正義社長の方針は頻繁に変わるので、今後も投資家としては追いついていく必要があるでしょうが、今回の新しいシナリオは良いものだったと私は感じています。
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※この記事は11月20日にBBTchで放映された大前研一ライブの内容を一部抜粋し編集しています
今週の大前の視点を読み、皆さんはどうお考えになりましたか?
今週は三菱重工業の話題をお届けしました。
船舶用エンジン事業に関する三菱重工業の発表に対し、大前は、トップシェアの海外メーカーと比較しながら当事業のKFSを指摘しました。
このように、戦略を描くうえでは、KFS=成功のカギをおさえることが最も重要です。
そうでなければ、どれだけ優れた技術や体制を保持しようとも、競合に勝つことはできません。
KFSをおさえた戦略を組み立てることで、大きなインパクトにつなげていくことができるのです。
▼ 著書がAmazon1位!マッキンゼー等、計12社のIT会社を経験してきた
尾原和啓講師が教える、これからのITビジネスの儲け方・生き残り方。12月1日開講!
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